1997 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークによる自律分散型流れ制御に関する研究
Project/Area Number |
09750173
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小河原 加久治 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70211125)
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Keywords | 流れ制御 / ニューラルネットワーク / フィードバック制御 / PIV / 能動制御 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
対象流れ場の三次元数値解析コードを開発し、その信頼性を確かめた。また、ニューラルネットワークによるパターン認識により流れ場の状態推定が可能であることを確かめた。数値シミュレーションによりニューラルネットワークによる自律分散制御が可能であることを確かめた。 次に、流れ場の状態を画像処理流速計により取得し状態量を推定して、フィードバックをかけることにより能動制御が可能であることを実験的に示した。また、状態量取得からフィードバックをかけるまでに時間遅れが存在する場合には制御ゲインの設定によっては系全体がカオス的な不安定性を示すことを確かめた。さらに、PyragasのDelayed Feedback制御により系を安定化することに成功した。本実験が対象とした流れ場はパターンの安定した比較的低次元の力学系であるが、カオス的となった実際の流れ場を安定化できたことの意義は大きい。流れ場の状態は画像処理流速計(PIV)により推定した。 プログレッシブキレンCCDカメラによりとらえられたトレーサー粒子画像はフレームグラバーボード(フォトロン フォトカム120)からパソコン(Intel Pentium 200MHz)に直接取り込まれ、流れ制御はピストンをパルスモータにより駆動して往復運動さることにより間欠噴流を形成させ、アクチュエータとした。ピストンの周波数を変えることにより噴流の速度と頻度を変え、誘起される流体速度を制御する。 今年度の実験で自由度の低い流れ場に対しては能動制御が可能であることが示されたので、この手法をより自由度の高い分散系に適用し自律系で流れ場全体の制御可能性を調べる。
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