1997 Fiscal Year Annual Research Report
超音速流中における物体周りの流れと気体の混合過程の解明
Project/Area Number |
09750177
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小原 哲郎 埼玉大学, 工学部, 講師 (80241917)
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Keywords | 衝撃波 / 膨張波 / 衝撃風洞 / 数値シミュレーション / 圧力計測 / 超音速流 |
Research Abstract |
超音速流中における物体周りの流れ場および気体の混合過程について明らかにするためには、実験室において超音速流を再現性よく生成することが重要である。そこで、研究の初年度は超音速流を発生させるための衝撃風洞の作動特性を明らかにすることを目的とした研究を遂行した。衝撃風洞を用いて超音速流を発生させることは、経済性及び実験装置の操作性の観点から有効であるが、欠点として発生する超音速流の持続時間が短いことが挙げられる。また、衝撃風洞の超音速流中における物体周りの流れ場および気体の混合過程について明らかにするためには,実験室において超音速流を再現性よく生成することが重要である.そこで,研究の初年度は超音速流を発生させるための衝撃風洞の作動特性を明らかにすることを目的とした研究を遂行した.衝撃風洞を用いて超音速流を発生させることは,経済性および実験装置の操作性の観点から有効であるが,欠点として発生する超音速流の持続時間が短いことが挙げられる.また,衝撃風洞内の波動現象は複雑であり圧力計測のみでは衝撃風洞の作動状態を判断することが難しい.そこで,本研究では衝撃風洞の作動特性を明らかにする目的で実験と並行し数値シミュレーションを行った.実験では,無隔膜型衝撃波管を用いているが,無隔膜バルブ内のピストンの運動を解析に含めモデル化を図り計算を行った結果,実験で得られた圧力波形と数値計算結果とは良好な一致を示す結果が得られた.実験および数値シミュレーション結果から,超音速流の持続時間は約5.5msであることを明らかにした.また,超音速流中にスクラムジェットエンジン内のストラット形状を模擬した物体を挿入したところ,ストラット周りには,衝撃波および膨張波が発生する様子,およびそれらの干渉過程を詳細に観察することができた.ストラット周りに形成される衝撃波角を計測することにより,超音速流のマッハ数は約3であり,超音速ノズルの設計マッハ数通りであることが確認できた.
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