1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越塚 誠一 東京大学, 工学部, 助教授 (80186668)
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Keywords | グリッドレス法 / 粒子法 / ALE法 / 計算精度 / 局所1次元格子 / 移動境界 / 自由液面 / スロッシング |
Research Abstract |
本研究では新しい数値解析法であるグリッドレス法を開発した。その特徴を以下にまとめる。 (1)計算格子を用いることなく非圧縮性流れの数値解析を行なうことができ、従来の差分法や有限要素法で多大な労力を要する格子生成を行なう必要がない。 (2)グリッドレス法はBatinaにより1993年に提案されているが、そこで用いられている最小2乗法による内挿法では計算精度が悪かった。ここで開発した局所1次元格子を用いるスキームでは、従来の方法と比較して計算精度が高く、3次元問題への拡張も容易である。 (3)以前より研究代表者らが独自に開発してきた粒子法と本手法を組合せることで、計算点を流れとは独立に自由に動かすことができるようになった。これによって、粒子法とグリッドレス法のそれぞれの利点をともに生かすことができるようになり、手法の適用範囲が拡がった。 また、本研究で開発した方法を用いて以下の計算を行なった。 (1)2次元の対流のテスト計算を行ない、局所1次元格子を用いるスキームでは最小2乗法と比較してはるかに数値拡散が小さく、オーバーシュートも起こさないことを示した。 (2)矩形容器内スロッシングの計算を行ない、従来のMAC法やBFC法の結果と一致する結果を得た。これにより、自由液面問題への本計算手法の優れた計算精度が確認された。 (3)自由液面を有するタンク内流れの数値解析を行ない、班目らの実験で見られた自励スロッシングを再生した。さらに、水深と流速のパラメータを変えて計算を行なったところ、得られた自励スロッシングの発生領域は実験とよく一致した。また、従来のBFC法では流速が速くなり液面の運動が大きくなると計算できなくなると報告されているが、本手法では液面で流体が分裂する場合にも安定に計算できることが示された。
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[Publications] H.Y.Yoon, S.Koshizuka and Y.Oka: "粒子-グリッドレスハイブリッド法の開発" 第11回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 317-318 (1997)
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[Publications] H.Y.Yoon, S.Koshizuka and Y.Oka: "A.Gridless-Particle Hybrid Method for the Analysis of Incompressible Flow" 日本原子力学会1997年秋の大会予稿集. G74 (1997)
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[Publications] H.Y.Yoon, S.Koshizuka and Y.Oka: "グリッドレス法のための流れ方向局所格子を用いた移流項の高次スキーム" 第10回計算力学講演会講演論文集. 437-438 (1997)
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[Publications] H.Y.Yoon, S.Koshizuka and Y.Oka: "A Meshless Approach for an Arbitrary Eulerian Lagrangian Calculation of Incompressible Fluid" 日本機械学会第75期通常総会講演会. (1998)