1997 Fiscal Year Annual Research Report
多孔構造体熱電素子とJoule熱再生サイクルの学理
Project/Area Number |
09750183
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田 茂 東京工業大学, 工学部, 助手 (70251650)
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Keywords | 熱電変換素子 / 多孔構造体 / 往復流動 / 加熱効率 / 性能指数 / Joule熱再生サイクル |
Research Abstract |
本研究では材料の素材そのものよりも,熱電素子の形状構成ならびに加熱・冷却のシステム的な観点から熱電変換方法を根本から見直し,熱伝導と電気移動の現象を分離し,上記の性能指数Zに代わる新しい指標を得て,熱電変換の高効率化,ならびに,高出力化に対し新しい研究指針を与えることを目的とする. 本方法では熱電変換素子を通気性を持った多孔構造体とし,その構造体内部と端部それぞれに高温(低温)接合部と低温(高温)接合部を配置し,さらにその構造体の低温(高温)接合部を配置した両端部から、空気を交互に周期的に流す往復流動系により,素材の熱伝導率によらない対流伝熱によって急峻な温度勾配を実現させ,構造体内部の冷却(加熱)効率の増進を図る. 本年度は多孔構造体熱電素子の往復流動系の解析モデルの開発を行い,多孔構造体熱電素子を用いた加熱器の性能を評価した.その際,解析で用いられる各種の物理パラメータは測定が困難な物が多いため,それらについては推奨値を用いて対処した.解析では空隙率往復流動の周期による影響等をシミュレートし,最適な多孔構造体熱電素子の仕様を決定した。その結果,素子厚さ2.5cm,空気流速0.35m/s,素子の空隙率0.5のときに最大の加熱性能を示し、性能指数、発熱量ともに従来のソリッド型熱電素子と比較して高い性能を有することが認められた.次年度はこれに引き続き,実際の機器の設計に入る.
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[Publications] S.Tada, R.Echigo, and H.Yoshida: "A New Concept of Porous Thermoelectric Module Using a Reciprocating Flow for Cooling/Heating System" The 16th International Conference on Thermoelectrics. 16(印刷中). (1997)