1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750184
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00220632)
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Keywords | ER流体 / 液晶 / マイクロマシン / 制御弁 / 機能性流体 / 流体制御 / 静特性 / 動特性 |
Research Abstract |
原子炉細管メンテナンスロボットなど,高機能かつ高出力の多自由度マイクロ運動システムの駆動に高出力密度の流体パワーを応用する場合,制御のためのマイクロ制御弁が必要となる.しかし従来の可動部を有する制御弁では,マイクロ化とともに機械加工誤差の影響が顕著となるため,その実現は困難と考えられる.そこで本研究では,印加電界により容易に粘度制度が可能であり,しかも分散粒子を含有しないためマイクロ化に適合した性能を有すると考えられる均一系ER流体を用いた,可動部のない数mmサイズのマイクロ制御弁の開発を試みている. 本年度は,低分子液晶ベースの均一系ER流体の基本特性について実験的に検討した.具体的には,1組の平行平板電極から構成される2ポートバルブを電極サイズを変え数種類試作し,印加電界に対する定常流量を差圧を一定とする条件の下で測定した.ただし試作弁の電極サイズは,幅1,2.5mm,長さ1.5,3,10mm,間隔0.05,0.1,0.2mmである.0〜3kVの高電圧は購入した高速高電圧アンプリファイアにより印加した.一定差圧は重力により押し下げられるピストンにより与え圧力センサで測定した.また定常流量は一定体積の吐出時間から求めた.実験の結果,たとえば幅2.5mm,長さ3mm,間隔0.2mmの平行平板電極を用いた場合,印加電界5kV/mmにおいて電界を印加しないときの粘度を基準とした相対粘度で約5倍変化することを確認した.またこの結果に基づき,試作した2ポートバルブを二つ直列に接続しその接続点を負荷ポートとする3ポートバルブの静特性の理論的検討もおこなっている.
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