1997 Fiscal Year Annual Research Report
非ニュートン粘性指状体の界面成長現象とそのフラクタル特性
Project/Area Number |
09750191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 剛宏 大阪大学, 工学部, 助手 (40252621)
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Keywords | 非ニュートン流体 / 粘性指状体 / 不安定成長 / Hele-Shawセル / 高分子水溶液 / 非ニュートン粘性 / 表面張力 / 伸長粘度 |
Research Abstract |
Hele-Shawセル内における非ニュートン流体の粘性指状体の成長現象のメカニズムを解明するために,実験と数値計算の両面からの研究を行った. 実験は2種類のセル(正方形セルと長方形セル)に対して行った.セルに充填する高粘性流体として使用した流体は,伸長特性の大きく異なる2種類の高分子水溶液(ポリアクリルアミド水溶液とカルボキシメチルセルロース水溶液,いずれも非ニュートン流体)と,ニュートン流体であるグリセリンである.高粘性流体を充填したセルに空気を注入し,そのときの粘性指状体の成長現象を,デジタルビデオで撮影した.そして,その画像をもとに成長現象を解析した.実験は種々の注入圧力について行った.実験の結果,幅の太い指状体から幅の狭い指状体への構造の変化を捉えることが出来た.この現象は,指状体先端付近の伸長変形や,せん断粘性と関係があると予想できる. 数値計算は,非ニュートン粘性モデルとしてCarreauモデルを適用し,計算手法にVOF法と連続体界面力(CSF)モデルを組み合わせた方法を用いて,指状体の成長現象をシミュレートした.そこでは実験でみられた,遮蔽,拡張,分裂の現象や,遮蔽効果に対する非ニュートン粘性の影響を定性的に再現することが出来た.しかし,前述のような指状体の構造の変化をシミュレートすることは出来なかった.したがって,定量的な解析モデルとしては今後,さらに検討すべき点があると考えられる.
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