1997 Fiscal Year Annual Research Report
光化学反応を用いた混相流におけるIn-situ多次元流速計測手法の開発
Project/Area Number |
09750192
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
細川 茂雄 神戸大学, 工学部, 助手 (10252793)
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Keywords | レーザ誘起蛍光 / ボイド率 / 流速測定 / 気泡 / 非接触測定 |
Research Abstract |
混相流における微細構造や時間変動特性の把握をできる計測手法の構築が、本研究の目的である。本年度は、既存のAr-ionレーザを光源とした計測用光学系と信号分離回路の設計、製作を行い、静止水中を上昇する気泡を対象として計測手法の基本性能を評価した。光学系により得られた信号は、本年度購入したコンピュータと新たに開発したプログラムにより処理した。 本手法は、液相中に蛍光物質を混入し、レーザドップラ流速計と同様の光学系を用いて速度場を測定する。この際、測定点に液相が存在する場合には、速度信号と同時に蛍光が観測できる。測定点に気泡又は固体粒子が存在する場合には、蛍光は観測できず、蛍光強度の時系列データからボイド率が測定できる。本年度、得られた知見を以下に示す。 1 本計測手法は気泡を含む流れ場に対して、ボイド率と速度の局所非接触測定が可能である。特に、分散相の体積率が比較的低い場合に非常に有効な手法である。 2 静止液中を上昇する気泡により誘発された流れ場においては、ボイド率と平均速度、流速変動の間に強い相関関係がある。 3 本手法により、測定点を通過する気泡の直前、直後の速度変動が高時間、空間分解能で計測可能である。 4 気泡の背後では、気泡の前方に比べて乱れが増加する。 来年度は、本システムをより複雑な混相流動場に適用し、本システムの検証、評価を行う。同時に、本手法の適用限界と改善策、将来性、今後の課題について考察を行う。
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