1997 Fiscal Year Annual Research Report
離散要素法を用いた付着性粉体の凝集過程の数値計算と実験による検証
Project/Area Number |
09750199
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅景 俊彦 九州工業大学, 工学部, 講師 (20223597)
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Keywords | 離散要素法 / 付着性粉体 / 付着力 / 凝集 / 貯槽 / 閉塞 / 流動層 / 粒子群 |
Research Abstract |
本研究ではまず付着性粉体の力学挙動を明らかにするため貯槽からの粉体排出時における閉塞現象に着目し、粒子の付着力、真密度、かさ密度、粒径、摩擦係数、貯槽出口幅、ホッパー角を種々変化させた場合について、約8000個の直径10mmの粒子を対象として付着性粉体が貯槽から排出される過程を付着力を考慮した3次元離散要素法によって数値解析した。付着力を種々変化させて計算を行ったところ、付着力の影響により粒子群の流動状態は大きく変化し、最終的に粒子群内部に生成する凝集体や貯槽出口に形成されるアーチによる閉塞状態が表現できた。また付着力が異なる4種類の付着性粉体(タルク、炭酸カルシウム、フライアッシュ、澱粉)を用いて貯槽出口幅を変化させたときの閉塞点を、求める実験も併せて行った。計算と実験によって得られた閉塞限界値を前述の各変数で構成される無次元数で表すと両者の値はほぼ一直線上に表現され、付着力を導入した離散要素法によって付着性粉体の挙動が正しく計算でき、閉塞限界値を予測できることがわかった。つぎに気流により流動化された場合の付着性粒子群の挙動を調べるため、粒径310μm,粒子数約10万個,気流空塔速度0.2m/sの気泡流動層に着目して数値解析を行った。粒子運動は、多体接触による粒子間相互作用を離散要素法によって記述し、流体抗力と回転揚力を考慮した並進と回転に関するLagrangian形運動方程式を解いて求めた。気流運動は、粒子群との相互作用を考慮したNavier-Stokes式と連続の式に基づき、慣性項には4次の中央差分法を用いて直接数値計算を行って求めた。計算結果をほぼ同一条件の実験結果と比較した結果、瞬時粒子位置の経時変化、粒子の平均速度分布等は両者ともよく一致しており、粒子群中の気泡や剪断層の発生と消滅等、気泡流動層の流れ場に特徴的な現象がよく表されることがわかった。
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Research Products
(1 results)