1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750224
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西岡 牧人 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (70208148)
|
Keywords | NOx / NOx還元 / 燃焼 / リバーンゾーン / バーンアウトゾーン / リバーニング |
Research Abstract |
ゴミ焼却炉でNOx還元のために試験的に行われているリバーニングにおいては,その反応場は,NOxを含む燃焼排ガスと天然ガスを含む噴射リバーンガスとの間で反応するリバーンゾーンと,そこで発生したCO等に対して二次空気を噴射して完全に酸化させるバーンアウトゾーンの二つに分けられる。本年度はこの二つの反応場の役割を明確にするために,各々のゾーンを模擬する2種類の同軸噴流混合場の数値計算を行い,NOx還元機構を調べた。リバーンゾーンを表わす混合場においては排ガス(温度1000℃,組成O_210%+CO_210%+H_2O10%+N_270%NO100ppm)の周囲流中にリバーンガス(メタンと排ガスの混合気:温度350℃,組成O_210%+CO_210%+H_2O10%+N_268%+CH_42%)が噴射されるものとし,バーンアウトゾーンを表わす混合場においてはリバーンゾーンの下流側境界と同一の組成・温度の周囲流中に温度130℃の空気が噴射されるものとした。いずれの場合も周囲流流速は10cm/s,噴射流速は50cm/sとし,反応機構はGRI-mech2.11を用いた。 その結果,リバーンゾーンにおいてNOはHCN,HNCO,HCNO NH_2,N_2O等に還元されることがわかったが,N_2にまで還元される大きなルートは確認されなかった。一方バーンアウトゾーンにおいてはNOの消滅反応は殆ど起きず,またN_2OからN_2への還元反応の反応速度が最大であることがわかった。しかしそのオーダーはリバーンゾーンにおける最大反応速度に比べて2桁近く小さく,結局両ゾーンを総合するとN_2にまで至る還元ルートは殆ど存在しないことがわかった。 今回与えた排ガスとリバーンガスの温度と組成は概算値であり,かなりの不正確さがある。今後はそれを変化させた計算を続けて行う必要がある。 実験に関しては,本年度は燃料及び酸化剤の精密な流量測定が可能なガス供給系を製作した。これを用いた燃焼実験は次年度に行う。
|