1997 Fiscal Year Annual Research Report
混合液における気泡底部の液膜の流れと伝熱に関する研究
Project/Area Number |
09750231
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白 強 九州大学, 工学部, 助手 (00274499)
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Keywords | メニスカス / マッハツェンダー干渉計 / マランゴニ対流 / 逆問題 |
Research Abstract |
気泡底部に存在する液膜先端のメニスカスが核沸騰熱伝達過程に非常に重要な役割を果していることがよく知られている。本研究ではレーザマッハツェンダー干渉計を用いて、部分的に飽和液に侵された傾斜銅板上に形成されるメニスカス液膜からの蒸発熱伝達の測定を行い、マランゴニ対流の影響を調べ、次の結果を得た。 1.実験液体には、水、エタノール、エチレングリコールの純液、及びこれらの混合液を使用した。銅板の表面温度が液膜の飽和温度より約1℃の過熱度になるように調整し、一様熱流束の加熱状態を保ったまま蒸発実験を行った。そして、液膜内温度分布と伝熱面の熱流束分布をマッハツェンダー干渉計により定量的に測定する方法を確立した。 2.液膜先端から1mmまでの範囲のメニスカスにおいては入熱の50%以上が熱伝導により伝達され、これに続く先端から1mm以上の液膜範囲は自然対流、熱伝導及び表面張力変化によるマランゴニ対流が複合することが分かった。 3.伝熱面の表面から深さ1mmの位置の8点における温度測定結果から熱伝導逆問題として伝熱面の境界条件を推測した。推測した境界条件を用いた液膜内の伝熱の数値計算結果は、ほぼ実験結果と一致した。 4.液体の屈折率は温度の変化により大きく変わるため、干渉縞における気液界面は若干変形し、精密な液膜形状変化の判明は困難であった。混合液のメニスカス形状変化について、伝熱面の垂直方向からレーザを投射して、水平方向からマメラにて撮影するなど液膜の厚さの変化を測定する方法を今後確立することが必要である。
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