1997 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟構造系上に搭載された多リンク柔軟マニピュレータの運動の振動の同時適応制御(3次元姿勢変動を考慮したモデリングと2自由度制御系のゲインスケジュール)
Project/Area Number |
09750249
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西村 秀和 千葉大学, 工学部, 助教授 (70228229)
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Keywords | 運動と振動の制御 / 柔軟構造物 / モデリング / ゲインスケジュール / 2自由度制御 |
Research Abstract |
当該研究では,柔軟構造系上に胴回りおよび腰回り2方向の計回転3自由度を有する2リンク柔軟マニピュレータを搭載したモデルを制御対象として扱い,2リンクマニピュレータと土台部の柔軟構造の並進・ねじり振動を考慮したモデリングを行った.振動特性は有限要素モデルを用いて解析し,数式処理プログラムを活用し,コンピュータにより3次元空間での運動方程式を導出した.この数学モデルと2リンクマニピュレータの駆動に用いるACサーボモータ・アンプの出力リルクに基づき,各パラメータの諸元を決めた. つぎに,実験モデルの設計・製作を行った.1本の丸棒に支持された柔軟構造系最上部には胴回り,腰回りの回転2自由度の駆動に用いるACサーボモータを配置し,柔軟マニピュレータ1リンク目を同モータに接続,さらに,柔軟マニピュレータには効果器を有する先端のリンクに回転自由度を与えるACサーボモータを配置した.製作された実験モデルを実験モード解析することによりモデリングの妥当性を検証したが,有限要素モデルの誤差が生じたため,再度,数学モデルの検討を行い,各パラメータの諸元を修正した. また,マニピュレータの3次元姿勢変動によって,制御対象全体の特性が変化するため,サーボアンプを介して制御入力を与え,様々な姿勢でその振動特性を解析した.実験モード解析の結果と数学モデルに基づく数値計算結果との比較により,数学モデルの諸元に変更を加え,修正を行った.制御系設計のためのモデリングとしてはロバスト制御によりカバーできると予測ができる程度のモデリングが得られたものの,現状では厳密なモデルは完全には得られていない.実験的に制御系の有効性を検討する準備はできているため,今後実験的な検証を行いながら,厳密なモデリング手法について検討していく予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 種村英朗: "タワークレーンの制御(ブーム起伏方向に関する制御)" 日本機械学会論文集. 64-619. (1998)
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[Publications] 野波健蔵: "MATLABによる制御理論の基礎" 東京電機大学出版局, 215 (1998)