1998 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟構造系上に搭載された多リンク柔軟マニピュレータの運動と振動の同時適応制御(3次元姿勢変動を考慮したモデリングと2自由度制御系のゲインスケジュール)
Project/Area Number |
09750249
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西村 秀和 千葉大学, 工学部, 助教授 (70228229)
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Keywords | 運動制御 / 振動制御 / ゲインスケジュール / 柔軟構造系 / 2自由度制御系 / マニピュレータ / モデリング |
Research Abstract |
当該研究では,昨年度構築された柔軟構造系上に胴回りおよび腰回り2方向の計回転3自由度を有する2リンク柔軟マニピュレー夕を搭載した制御対象モデルに対して,ロバスト制御を施すとともに,2自由度のゲインスケジュール制御についてシミュレーションおよび実験により検討した. シミュレーション段階では,優れた制御性能を有する制御系設計が行えても,実験的にその性能の達成が困難となったため,モデリングについて詳細な検討を行い,重心位置の精確な把握等を再度検討した.マニピュレータの3次元姿勢変動により,重心位置のずれが生じるため,モデリングを困難なものとしていることが明らかとなった.また,この特性変化を考慮してゲインスケジュール制御を行うことの有効性をシミュレーションで確認した. 実験的には,LMIに基づくゲインスケジュールH∞制御を施し,可操作範囲内での制御実験を行い,シミュレーションとの対応を確認した.また,剛体マニビュレータを用いた場合については,制御実験結果がシミュレーションと一致する結果を得ており、制御系設計手法の有効性を確認することができた. また,フィードフォワード制御との統合を図る2自由度制御系については,マニピュレータが目標の位置へある時間内に到達するように終端状態制御を施し,その上で,誤差が生じた際にはフィードバック制御が効果を発揮するように制御系を構成した.終端状態制御を施す際には,制御対象が時変系となっているため,繰り返し学習によって最適な制御入力を得る方法を取っているが,制御中にも誤差を生じるため,フィードバック制御が有効に働かなければ応答性能は劣化することになる.今後は,モデリングと制御系間の相互の教示により,システム全体としての制御性能が向上するように制御系を構成する必要があると考えられる.
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Research Products
(1 results)