1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750250
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山崎 徹 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (70272416)
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Keywords | 振動 / 騒音 / エネルギフロー / 放射効率 / 損失率 / 近接遮へい |
Research Abstract |
機械構造物から放射される騒音を低減することは,機械そのものの性能,商品性,快適性の観点から重要な課題の一つである.機械騒音の低減には,その発生のメカニズムから加振源や伝達系の構造変更,及び放射系の遮へい対策が有効である.構造変更は大がかりであるが,有限要素法などの数値解析技法によって効率的に行えるようになってきた.一方,遮へい対策としては部品を対象に近接遮音カバーを装着する近接遮へい(エンクロージャ)や機械全体を覆うエンジンエンクロージャがあり,既に多くの実施例か見られる. 本研究では,昨年度に,構造物の振動から音への変換メカニズムについて,鋼板パネルを用いて,形状,制振材付加がどのように影響するかについて検討を行った.その結果,平らなパネルの音響放射効率は,音のキャンセリングが効率よく生じるため,ビード加エパネルや制振材付加パネルよりも小さくなることを明らかにした. そこで本年度は,機械構造物として自動車エンジンを考え,現在使用されている近接遮へいの遮へい板として平らなパネルを使用するエンジン騒音低減策について検討を行った. はじめに,現状の近接遮へい対策による騒音低減効果の検証を行うために,遮へい板の仕様などををパラメータとして実験的に放射音計測を行った.その結果,現在の近接遮へい対策では,高周波数域で2dB程度の効果しかなく,遮へい板の特性はあまり関係していないことが分かった. そこで,より効果的な減音効果を得るために,漏れ音の防止,振動伝達の低減さらに昨年度の研究成果を活用する新たな近接遮へい対策のコンセプトを示した.これは,遮へい板の取付けを考慮したできるだけ剛なフレームのあるエンジンブロックの構造変更を行い,フラットな遮へい板を取付けるというものである.このコンセプトを実際に適用し検証実験を行ったところ,最大8dB程度の減音効果が確認された.
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[Publications] 山崎徹 他2名: "パワーフロー計測による統計的エネルギ解析法パラメータの評価" 機械学会機械力学・計測制御講演論文集. 99・7(発表予定). (1999)
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[Publications] 山崎徹 他1名: "近接遮へいによるエンジン騒音低減に関する研究" 機械学会機械力学計測制御講演論文集. 99・7(発表予定). (1999)
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[Publications] 山崎 徹 他2名: "振動インテンシティ計測によるSEAパラメータ評価法" 機械学会論文集C編. (掲載決定). (1999)