1998 Fiscal Year Annual Research Report
動的逆問題法に基づく解析モデルの実験データで修正する方法の開発
Project/Area Number |
09750251
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
施 勤忠 東京工業大学, 工学部, 助手 (60282844)
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Keywords | System Identification / Model Modification / Finite Element Method / Holographic Neural Network / Damage Detection / Health monitroring / LVQ Neural Network / Sensitivity Analysis |
Research Abstract |
設計段階におけるコンピュータシミュレーションの担う役割は,年々増大の一途をたどっている。しかし,大規模で複雑な構造となると,有限要素法(FEM)モデルで代表される適切な設計モデルを設計段階で構築することは困難である。その際,まず適当な規模のFEMモデルを構築し,実験のモード特性と一致しない箇所を同定し,FEMモデルと実験データの合致しないところ(以下欠陥部と称する)のみを修正する手法が最も有望視されている。本研究では,この考えに則り,ニューラルネットワークの手法を援用して欠陥部の同定を行った。その際,ホログラフィックニューラルネットワーク(HNN)の利用を初めて試みた。開発した手法の有効性を見るため,2次元周辺単純支持平板の1要素の物性値がばらつく問題について欠陥部の位置及びその大きさの同定を行った。その結果,これまで用いられているバックプロパゲーションニューラルネットワーク(BNN)に比しはるかに優れていることを示した。しかし,実用化には観測点を減らす検討も重要である。本研究では,欠陥部の大きさは不問にし,場所だけを同定する問題に絞って観測点の削減法について検討した時には固有モード感度情報が有効であり,場所のみの探索にはHNNより学習ベクトル量子化ニューラルネットワーク(LVQ)の方が適応性がよいことを示した。さらに,欠陥部が複数である場合において,LVQを用いた同定を行い,欠陥部の大きさがある程度大きくなると検出が100%可能であることがわかった。また、本研究の手法を用いて旅客機タービンブレードの不具合の検出を行い、約9割程度の正解率が得られた。 本研究の成果を国際,国内会議及び雑誌論文集において発表した。
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[Publications] I.Hagiwara,Q.Shi and A.Inoue: "Development of Inverse Analysis Methods Applicable to Modification Calculation Model by Using Experimental Data" Proc.on Int.Symp.of Optimization and Innovative Design'97 JSME. in CD-ROM. 70-72 (1997)
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[Publications] 萩原一郎、井上亜友子、施 勤忠: "ニューラルネットワークと計算力学に基づく構造同定法の検討(第1報)" 日本機械学会論文集(C編). 64巻621号. 1574-1579 (1997)
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[Publications] 施 勤忠、萩原一郎: "ニューラルネットワークと計算力学に基づく構造同定法の検討(第2報)" 日本機械学会論文集(C編). 64巻625号. 3375-3382 (1998)
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[Publications] Q.Shi,Z.Rao,I.Hagiwara: "Dynamic Load Estimation for Multiple-input System Using Wiener Filtering Technique" Proceedings MOVIC4-Motion and Vibration Control(Swiss). Vol.1. 305-310 (1998)
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[Publications] 施 勤忠、萩原一郎、関根俊彰: "構造物の広範囲欠陥同定法に関する検討" 日本機械学会機械力学・計測制御部門講演会. B巻. 532-535 (1998)