1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750266
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 卓見 九州大学, 工学部, 講師 (40274485)
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Keywords | 時刻歴応答 / 過渡応答 / 非線形振動 / 多自由度系 / 制振・免振 |
Research Abstract |
本研究では,システムの異常を早期に検知し,万一事故が発生した場合でもシステムの応答を正確に把握し被害の拡大防止を行うシステム,具体的には,部分的な異常振動,配管系におけるリ-クなどの局所的異常の検出,ならびに,突発的事故発生時の応答解析システムの開発を目的としている. 本年度は主に事故発生時の応答解析システムの開発を行い,さらに,構造物の制振のために取り付けられる様々な非線形要素について応答シミュレーションを行った.具体的な内容を以下に示す. 1.大規模構造系の高速・高精度ならびに数値的に非常に安定した振動解析手法として,本研究者らはこれまでに伝達影響係数法を提案し,工学的に重要な構造物への適用を通じてその有効性を実証してきた.この伝達影響係数法を援用し,系を簡略化することなくそのまま大規模系として取り扱い,系に部分的に存在する非線形性の影響をも考慮できる能率的な非線形時刻歴応答解析法を提案した.とくに,非線形要素のなかでもクーロン摩擦に関しては,特有の性質であるスティック-スリップをも考慮しうるアルゴリズムを提案した.これは伝達影響係数法の種々の境界条件に対する強さを利用したものである. 2.Runge-Kutta-Gill法など従来からの手法との比較検証を行った.その結果,提案した手法は実用上十分な精度で非常に高速な解析が可能であることが明らかになった.とくに,系の自由度が増大するほどそれらの優れた点が顕著になることを確認した. 3.実際のプラントの配管系を模したモデルに対して種々の数値計算を行った.具体的には,制振のために意図的に取り付けられるガタ,クーロン摩擦,弾塑性ダンパなどを想定し,地震波などに対する制振,免振の基礎的研究を行った.
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Research Products
(1 results)