1997 Fiscal Year Annual Research Report
高温超電導磁気軸受で支持された回転体の動力学現象の解明
Project/Area Number |
09750270
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 壽彦 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70265932)
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Keywords | 高温超電導 / 磁気軸受 / 磁気浮上 / 回転体力学 / 非線形振動 / 多自由度達成 / 電磁力関連のダイナミクス / 発展鏡像法 |
Research Abstract |
高温超電導磁気浮上系の応用分野の一つとして電力貯蔵用フライホイールの磁気軸受としての研究が進められているが,その磁気的な非接触支持機構の回転軸受としての利用可能性や浮上体回転時の挙動は十分に明らかにされていない.そこで,本研究では,高温超電導磁気浮上系について,磁石に作用する電磁力およびトルクの特性および浮上磁石回転時の動力学的挙動について解析的および実験的に評価を行い,以下の成果を得た. まず,冷却時の磁束を捕捉するという第II種超電導体の性質を反映した発展鏡像法に基づいて,磁石に作用する力・トルクを評価する式を導出し,数値計算および実験により同手法の妥当性を確認した.さらに,超電導による非接触支持機構が磁気抵抗のない効率的な回転軸受として作用することを理論的に確認した. 次に,発展鏡像法を利用した6自由度の運動解析手法および解析結果を提示し,数値シミュレーションや解析的評価により浮上体の回転挙動の把握が可能であることを確認した.具体的には,電磁力の解析的評価結果より得られる非線形の運動方程式について,鉛直・水平・回転運動の連成などの性質を考察し,近似解析や直接数値積分による解析からその挙動を定量的に求め,特に定常解の安定性,解の分岐などを調べた. 一方,モータによる非接触回転駆動機構を備えた浮上磁石回転システムを製作し,レーザ外径機,レーザ変位計,レーザドップラー面内振動計などを用いて,定常および非定常回転時の水平方向や鉛直方向の振動や回転速度を測定した.その結果,上述の解析結果の一部と対応する実験結果を得ることができた. 次年度は,この解析手法をもとに,非線形性に起因する分数調波共振,内部共振,カオス現象,自励振動などを調べるとともに,実験において多自由度の運動の同時測定を可能とすることを試みる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshihiko Sugiura: "Dynamics of a Rotor Levitated above a High-T_c Superconductor" Proc.3rd European Conf.on Applied Superconductivity. 1523-1526 (1998)
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[Publications] Toshihiko Sugiura: "Cross-coupling of Translational Motions of a Spinning Magnet above a High-T_c Superionductor" Proc.10th International Symposium on Superconductivity. (8月出版予定). (1998)