1997 Fiscal Year Annual Research Report
複数の固有振動の縮退に基づく多自由度超音波モータの開発
Project/Area Number |
09750271
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (20276413)
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Keywords | 超音波モータ / アクチュエータ / 多自由度 / 振動 / 固有振動数 / 固有モード / 有限要素法 / モータ |
Research Abstract |
巧みなロボットアームやマニピュレータを実現するためには,多自由度運動を行いうる小型高精度アクチュエータの開発が不可欠である.超音波モータは,単位体積あたりの出力パワーが大きいこと,高保持トルク特性を有すること,高トルク特性を有すること,単純構造,静粛性,高制御性などの特徴を有することから,多自由度運動を行うロボットアームやマニピュレータの駆動用に適している.本研究では,単一の振動子によつて球状の回転子を直交する3軸周りに回転させることのできる3自由度超音波モータを開発した.まず,棒状の振動子の2つの横(曲げ)振動2次モードと1つの縦振動1次モードの固有振動数を縮退(一致)させれば,3自由度超音波モータを実現でき,振動子のヘッド部に接触する球状の回転子は直交した3軸まわりに回転し得ることを示した.次に,超音波モータの構造および形状を,有限要素法による固有振動数・固有モード解析を用いて決定した.振動子の支持方法,圧電素子の配置方法,回転子との接触部の構造,変位拡大のためのくびれ構造などの詳細構造も,有限要素法による固有振動数・固有モード解析を用いて最適化した.また,実際に振動子・回転子を製作し,その基本特性を計測した.振動子の横振動と縦振動の固有振動数・固有モードの計測値は計算値と良く一致した.球状の回転子は直交した3軸周りに回転することが可能であり,本超音波モータは回転子に3軸周りの運動を生成しうることを確認した.今後の課題は,負荷トルクと回転数の関係を計測して多自由度超音波モータの大出力化を図ること,制御手法を確立すること等である.
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Research Products
(2 results)