1997 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド加工探針の知能化によるナノ計測一体型超微細加工システムの開発
Project/Area Number |
09750279
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柴田 隆行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10235575)
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Keywords | 知的ナノ加工システム / ナノリソグラフィー / 走査プローブ顕微鏡 / AFM / STM / ダイヤモンド薄膜 / 半導体ダイヤモンド |
Research Abstract |
本研究では、マイクロマシン作製のためノキ-テクノロジーとなる3次元超微細加工技術の実現を目標とし、提案する"ナノ計測一体型超微細加工システム"の開発を行った。本システムは、走査プローブ顕微鏡を応用した超微細加工機であり、加工・計測用としてのダイヤモンド探針を有することを特徴とするものである。得られた成果をまとめると以下のとおりである。 1.STM計測機能を有する超微細加工システムの開発 1.1 STM計測が可能な高精度3次元駆動システムを開発した。試料-加工探針間の距離を制御するZ軸微動サーボユニットの分解能は6nmであり、加工探針を試料面に平行に走査するXY軸走査ユニットの直線性は電荷制御により線形化によって50nm以下(駆動範囲2.6μm×2.6μm)であった。加工探針の装着部にW製の探針を取り付けSTM観察を行った結果、本駆動システムの総合的な分解能は20nm程度であることがわかった。 1.2 気相合成法によってSTM機能を有するp型半導体ダイヤモンド製の加工探針を作製した。具体的には、異方性エッチングによって作製したSi基板の"モ-ルド"上に、ホウ素を溶解したアセトンと水素の混合ガスを用い熱フィラメントCVD法によってダイヤモンド薄膜を形成し、高さ約50μmのピラミッド状の加工探針を作製した。開発した上記の駆動システムにダイヤモンド製の加工探針を装着し性能を評価した結果、作製したダイヤモンド加工探針は単結晶Siのような硬脆材料の加工が行えるばかりでなく、加工形状の評価(STM計測)をin situで行える機能も同時に有していることを確認した。 2.ダイヤモンド製AFMカンチレバ-の開発 2.1 基板の欠陥密度を制御する選択成長法によるダイヤモンド薄膜のパタ-ニング技術を確立した。具体的には、単結晶Si基板、SiO_2薄膜、Ta薄膜上で5〜10μmのライン&スペースをもつダイヤモンド薄膜のパタ-ニングが可能となった。 2.2 ダイヤモンド薄膜のパタ-ニング技術と異方性エッチングによるSi基板のモ-ルド技術を利用し、AFM計測が可能なダイヤモンド製のカンチレバ-を開発した。
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