1997 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子を利用したセルフセンシング・マイクログリッパの開発に関する研究
Project/Area Number |
09750306
|
Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
大嶋 和彦 大同工業大学, 工学部, 助教授 (70213692)
|
Keywords | セルフセンシング・アクチュエータ / 圧電素子 / マイクログリッパ / 力(ちから)制御 |
Research Abstract |
圧電素子の圧電効果と逆圧電効果を一片の素子で同時に利用することにより,センシングとアクチュエーションを同時に行おうとするセルフセンシング・アクチュエータ(SSA)をより実用的なものにするためには,駆動電圧と素子の変位との間のヒステリシスを補償する必要がある。 そこで,2年間の研究の前半である本年度では,以下の手順でヒステリシスを補償する方策を検討した。 (1)ヒステリシスが顕著であるとされる積層型の素子を対象に選び,印加電子圧-変位特性などの基本特性を調査し,裸特性としてのヒステリシスを把握した。 (2)圧電素子に微少容量のコンデンサを直列接続し,このコンデンサの両端子電圧が圧電素子に蓄えられた電荷に比例することに着目した電荷制御を,特殊かつ複雑な駆動装置を用いることなく,パーソナルコンピュータのプログラム上で電圧素子のキャパシタンスを推定することにより実現する手法を考案した。 (3)考案した手法により素子のヒステリシス特性を極めて良好に補償することが可能となり,位置制御に対してもフィードバックを設さなくても良好な追従性能が得られた。 (4)しかしながら,ヒステリシス特性が補償された結果,長時間にわたる制御実験において位置のドリフトが発生することが明らかにとなった。 (5)ドリフト現象は圧電素子の抵抗成分による電荷の漏れが原因であるため,素子に直列接続したコンデンサに抵抗を付加し,さらにプログラム上で圧電素子の抵抗成分をも推定することにより,ドリフトを良好に補償することが可能となった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 河合,正(指導学生): "ソフトウェア電荷制御による圧電素子のヒステリシス補償" 電気学会第9回電磁力関係のダイナミックスシンポジウム講演論文集. 275-278 (1997)
-
[Publications] T.Takigami(指導学生): "Application of Self-Sensing Actuator to Control of Cantilever Beam" Proceedings of 1997 American Contrl Conference. Vol.3. 1867-1872 (1997)