1997 Fiscal Year Annual Research Report
協調作業を考慮した自律走行クレーンのリアルタイム搬送制御システムの開発
Project/Area Number |
09750310
|
Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
兼重 明宏 大島商船高等専門学校, 商船学科, 講師 (70224615)
|
Keywords | 天井クレーン / 自律走行 / 障害物認識 / 障害物回避 / 最適経路計画 / 振れ止め制御 / 搬送制御 / FMS |
Research Abstract |
FMS(Flexible Manufacturing System)の運用を考える際、各種生産工程間における搬送システムは重要な要素であり、これらのシステムに関し、国内外で多くの研究、開発が行われている。しかし、それらの研究では、2次元平面を移動する自律搬送システム(自律走行車等)に関する研究が主であり、3次元空間を移動する自律走行クレーンに関する報告はされていないのが現状である。天井クレーンは、(1)敷地内の上下方向を移動することにより、敷地面積をとらない、(2)3次元空間を自由に移動することで敷地内に置かれた障害物を回避するなどのフレキシビリティがある、(3)搬送システムを構築する際のコストが少なくてすむなど、2次元の搬送システムに比べてその利点は多く、応用範囲も広いと考えられ、FMSの運用の自由度を高めるためにも、その自動化が望まれる。そこで本研究では、I)移動障害物のリアルタイムでの認識と回避、II)地上を移動する搬送車との協調作業が行える自律走行天井クレーンシステムの開発を行った。 まず、(a)レーザーラインマーカーとCCDカメラを用い光切断法によりオフラインでの障害物の認識を行い、それによって得られた画像データから障害物の位置と高さの情報をもつ環境地図を自動生成するシステム。(b)環境地図から分枝限定法を用い、任意のスタートからゴールに至る最短距離経路や最小エネルギー経路の条件を満たす最適経路を自動生成するシステム。(c)荷位置の情報に着目したモデルの導出およびそのモデルに基づいた搬送制御系を最適サーボ系を適用し、(b)で生成された経路に追従し、搬送中や搬送終了時の荷振れを制御する搬送制御システムを構築し、これらを統合した自律走行クレーンシステムの開発を行った。今後は、リアルタイムでの障害物回避経路の探索をポテンシャル法で行い、地上の移動障害物との協調作業を行えるシステムの構築をファジイ制御などを用いて行う計画である。
|
-
[Publications] 兼重明宏: "巻き上げ,カーブ軌道を有する天井クレーンの搬送制御" 日本機械学会論文集C編. 63・607. 921-928 (1997)
-
[Publications] 寺嶋一彦: "鋳物工場自動化のための制御設計技術と応用" 鋳造工学. 69・3. 257-265 (1997)
-
[Publications] 兼重明宏: "極固定可変ゲイン方式による天井クレーンの荷物の3次元搬送制御" 第41回システム制御情報学会研究発表講演会. 207-208 (1997)
-
[Publications] A.Kaneshige: "Autonomous Mobile Crane System with Optimal Path Pianning and Enviromental Recognition for Obatacle Avoidance" Proc.of the 2nd Asian Control Conference. 1. 597-600 (1997)
-
[Publications] 藤井雅之: "サーボ機器教育システムの開発" 大島商船高等専門学校紀要. 30. 65-68 (1997)
-
[Publications] 兼重明宏: "障害物認識と経路計画を考慮した天井クレーンの自律化" 日本機械学会論文集C編. 64・618. 487-494 (1998)