1998 Fiscal Year Annual Research Report
PWMコンバータにおける簡単な電源電圧センサレス手法の開発
Project/Area Number |
09750314
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
安東 至 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20212665)
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Keywords | PWMコンバータ / 電源電圧センサレス / 入力リアクトル補償 / デットタイム補償 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の基礎的研究を踏まえ,単相混合ブリッジPWMコンバータにおいて,起動時の過渡現象抑制手法と高調波を有する電源電圧における正弦波入力電流制御手法を開発した。また,三相フルブリッジPWMコンバータに本電源電圧センサレス手法を適用し,その有効性を確認した。その結果,以下の結果が得られた。 1. 起動時の過渡現象抑制手法は,入力電流制御用PI補償器の制御時定数を入力リアクトルを介した電源電流の立ち上がり時間より十分高速にし,DC電圧を緩やかにDC電圧指令値電圧まで上昇させる事で過渡現象を簡単に抑制することができた。 2. 高調波を有する電源電圧においては,正弦波の入力電流を流すために,推定された電源電圧にゲイン=1,中心周波数=50Hz(または60Hz),Q=1のバンドパスフィルタを介して入力電流指令基準正弦波を生成することで10%の3次高調波を有する電源電圧においても,入力電流の3次高調波を3.7%に抑制することができ,簡単な手法で良好な結果を得ることができた。 3. 三相フルブリッジPWMコンバータに本センサレス手法を適用した場合,入力電力1.6kW以上において入力力率99%以上,全負荷領域においてDC電圧変動率1%以下,入力電力5kW時において入力電流歪み率1.9%を達成することができた。また,負荷急変および電源電圧の急変時においても高速に制御が達成され,良好な結果が得られることを確認できた。 以上のように,オペアンプ数個の追加により簡単に構成される,提案する電源電圧センサレス手法は,基本性能的には全く問題はなく,極めて有効な手法であることを確認することができ,計画は達成することができた。
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Research Products
(1 results)