1998 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型エネルギーシステムの構築に対する独立系発電事業者(IPP)の参入効果
Project/Area Number |
09750315
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 丈佳 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (90283465)
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Keywords | 独立系発電事業者(IPP) / 一般電気事業者 / 電力システム / 規制緩和 / CO_2排出削減 / 電源計画 / コージェネレーションシステム / 発電コスト |
Research Abstract |
本研究では,COP3で決まったわが国の温室効果ガス削減目標を考慮して,2010年における電気事業全体のCO_2排出に上限を想定し,CO_2排出原単位に応じた独立系発電事業者(IPP)の参入可能容量および一般電気事業者(utility)にとっての経済的価値を算定した。主な成果を以下に示す。 1. 電気事業審議会の想定電力需要(1056TWh)において原子力が70GWの場合,電気事業のCO_2排出制約が1990年比6%減であっても,IPPは発電パターンやCO_2排出原単位によって参入容量が制限されない。 2. 原子力が60GWの場合,IPPが参入できる余地は10GW増加する。しかし,utilityのCO_2排出原単位は増加するため,CO_2排出原単位が大きいIPPの参入可能容量は,原子力が70GWの場合よりも,むしろ減少する場合がある。 3. 電気事業のCO_2排出制約下では,utilityがCO_2排出原単位が大きいIPPから電力を購入する際の上限価格は,CO_2排出原単位が小さいIPPに対し,60%程度まで低下する。 4. CO_2排出原単位が異なるIPPに対し,その参入確率を考慮してutilityが設定すべきIPP電力の上限価格を明らかにした。 また,コージェネレーションシステム(以下、CGS)を用いて熱電併給を行うIPPを想定し,その導入がわが国全体の省エネルギー性に与える影響について,以下の検討を行った。 1. CGSを火力発電機と位置づけ,LNG複合火力との比較によってCGSを評価する手法を開発した。 2. ホテルや病院へのCGS導入は,わが国全体の省エネルギー化にとって有効であるが,事務所や店舗などへの導入は,周辺の住宅需要と地域熱供給システム(DHC)を構築すれば有効となる。 3. わが国の3700市区町村の需要密度を考慮すると,DHCの最適導入容量は3.8GW程度である。
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[Publications] 加藤丈佳: "エネルギーシステム全体の省エネルギー性からみた民生部門におけるCGS導入可能性の評価" 電気学会論文誌B部門誌. Vol.118-B No.5. 542-547 (1998)
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[Publications] 早川直樹: "電力システム全体の発電コストからみた独立系発電事業者(IPP)参入の経済的価値" 電気学会論文誌B部門誌. Vol.118-B No.9. 947-954 (1998)
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[Publications] 加藤丈佳: "エネルギーシステム全体の高効率化からみたCGSを主体とする地域熱供給システムの導入可能性" 電気学会論文誌C部門誌. Vol.118-C No.10. 1445-1452 (1998)
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[Publications] 加藤丈佳: "電気事業におけるCO_2排出削減を考慮した独立系発電事業者(IPP)の参入可能性" 電気学会論文誌B部門誌. Vol.119-B No.1. 24-32 (1999)
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[Publications] 浜田大善: "電気事業におけるCO_2排出削減がIPP参入に与える影響" 電気学会 電力技術・電力系統技術合同研究会資料. PE-98-80 PSE-98-70. 53-58 (1998)
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[Publications] 坂野正太郎: "民生部門におけるCGS大規模導入が2010年の電源計画に与える影響" エネルギー資源学会 第15回エネルギー・経済・環境コンファレンス講演論文集. 4-5. 137-142 (1999)