1998 Fiscal Year Annual Research Report
センサレス突極形ブラシレスDCモータの零速度制御法
Project/Area Number |
09750316
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹下 隆晴 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70171634)
|
Keywords | センサレス制御 / PM同期電動機 / 零速度制御 / 突極形モータ / 位置推定 / 速度推定 |
Research Abstract |
高効率電動機として突極形ブラシレスDCモータ(PM同期電動機)が普及してきている。ブラシレスDCモータの駆動には位置情報が必要不可欠であり,通常,エンコーダやレゾルバ等の位置検出器が用いられるが,位置検出器を取り除き,小形,軽量,低価格,高信頼性を実現する要求がある。この要求に対して,既に中高速度域における位置センサレス制御が開発されており,本研究では,零速度を含む低速度時の位置センサレス制御について,制御アルゴリズムの開発と実験的検証を行った。その具体的な内容を以下に示す。 1. 零速度を含む低速度駆動時の位置推定アルゴリズムとして,インダクタンスの位置依存性に基づいた推定法を開発した。この結果,6極,1.5kW,1500rpmの供試機を用いて,推定誤差2゚(電気角度)の位置推定精度が得られた。 2. 本推定法では,位置推定のためにパルス電圧を与え,電流を変化させるが,このとき電流変化に伴うトルクリプルを低減する電圧印加法を開発した。従来法では,定格トルクの12%のリプルが発生していたが,提案法により4%に低減できた。 3. 位置推定のために重畳するパルス電圧の大きさと位置推定誤差の関係を実験的に明らかにした。 4. 低速時のインダクタンスの位置依存性に基づいた位置推定法と中高速時の速度起電力に基づいた位置推定法のスムーズな切り替え法を開発した。この結果,零速度から定格速度,無負荷から定格負荷トルク範囲で安定な速度センサレス制御を実現した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] R.Mizutani: "Current Model-Based Sensorless Drives of Salient-Pole PMSM at Low Speed and Standstill" Conference Record of the 1997 IEEE Industry Applications Society. 445-450 (1997)
-
[Publications] 臼井 明: "診断電圧印加による低速度駆動センサレス突極形PM同期電動機のトルクリプル低減法" 電気学会全国大会. 4. 282-283 (1998)
-
[Publications] R.Mizutani: "Current Model-Based Sensorless Drive of Salient-Pole PMSM at Low Speed and Standstill" IEEE Transactions on Industry Applications. 34・4. 841-846 (1998)
-
[Publications] 臼井 明: "センサレス突極形PM同期電動機の低速度駆動時における診断電圧と位置推定精度" 電気学会東海支部連合大会. 102-102 (1998)
-
[Publications] 竹下隆晴: "再給電時のセンサレス永久磁石形同期電動機の制御" 電気学会論文誌D. 118-D,12. 1443-1449 (1998)
-
[Publications] 臼井 明: "診断電圧印加によるセンサレスPMSMの低速度駆動法" 電気学会半導体電力変換研究会資料. SPC-99-10. 55-60 (1999)