1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750322
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川畑 秋馬 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00244260)
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Keywords | 電流分布 / 交流用導体 / 超伝導 / 電力用機器 / ピックアップコイル / 自己磁界分布 / 一様化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,電力用超伝導機器の実用化の為に解決されるべき課題である,超伝導導体内の電流分布を一様化を図る為の指針を得ることである。そのために,まず従来の方法では十分な測定ができなかった電力機器用超伝導導体内の電流分布を測定できる新たな測定手法を確立し,次に,得られた実験結果に理論的な検討を加え,導体内の不均一な電流分布が生じるメカニズムを解明することを目指す。 本研究における電流分布の測定法は,超伝導導体のまわりに配置したピックアップコイル群で測定した導体表面の自己磁界と,導体内の電流分布を仮定した3次元磁場解析の計算結果とを比較することによって,間接的に電流分布を推定するものである。本年度はこの測定法を改良し,導体内の電流分布を定量的に把握できるように測定の高精度化を図った。そのために,新しい形状のピックアップコイルを提案し,以下の研究成果が得られた。 1.絶縁銅線を用いた電流分布が既知である模擬導体を用いた実験により,今回提案した導体へのコイルの着脱が可能な新たな形状のピックアップコイルで,その電流分布を正確に測定できることがわかった。 2.着脱による誤差は10%以内であり,測定精度としては十分な精度が得られた。 3.熱収縮によるコイル特性を測定し,その誤差を無視できる装着条件も見い出した。 4.超伝導導体内の電流分布を測定する装置の製作を行い,ほぼ完成した。 次年度は,本装置に新しい形状のピックアップコイルを装着し,液体ヘリウム中での超伝導導体の実験を行い,さらにその結果について理論的な解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)