1997 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波障害が少ない多レベル共振形インバータを用いたHIDランプ安定器の高効率化
Project/Area Number |
09750324
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大里 正人 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (30209233)
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Keywords | 共振形インバータ / HIDランプ / 安定器 / 高効率化 / 電磁波障害 |
Research Abstract |
本研究の対象とするHID(High Intensity Discharge:高輝度放電)ランプは、数十W程度の小型HIDランプである。そのため、安定器も小型・軽量化が必要で、スイッチング周波数の高周波化が必要である。本研究の目的は、電磁波障害を引き起こすことなく、HIDランプ安定器の高効率化を達成することである。 具体的には、HIDランプ安定器として、共振形インバータ回路を採用して、その最適な設計法と動作解析を検討することである。平成9年度は、研究の1年目として、以下の研究を行なった。 (1)λ/4長分布定数線路を用いた安定器の研究 λ/4(λ:波長)長分布定数線路を用いて、HIDランプの高周波点灯(1[MHz])の実験を行なった。分布定数線路の長さをλ/4に設定することで、高調波の抑制が可能となる。安定器の効率、および調光特性について検討した。リサジユ-法による電力測定から、低損失の分布定数線路を用いることで、効率を上げることが可能とわかった。また、調光特性の測定から、100〜15.2[%]の範囲で調光が可能であることを確認した。 (2)一石共振形インバータ回路を用いた安定器の研究 低オン電圧の特徴を持ち低損失化が期待できる、MCT(MOS Contro1ed Thyristor)を用いた一石共振形インバータ回路を検討した。従来から用いられている素子である、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いた回路との比較を行なった。その結果、MCTはオン損失の低減が期待できるが、電流の立ち下りが遅いことを確認した。今後の課題として、定量的な検討が挙げられる。
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[Publications] 大里 正人 ほか: "New Type of Ballast for HID Lamps Using Distributed Constant Line" Proceedings of the PCC-NAGAOKA. Vol.2. 987-990 (1997)
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[Publications] 大里 正人 ほか: "λ/4長分布定数線路を用いたHIDランプ用バラスト" 平成9年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集. 第2巻. 33-34 (1997)
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[Publications] 大里 正人 ほか: "MCTを用いた1石共振形HIDランプ用バラスト" 平成10年電気学会全国大会講演論文集. 第4巻. No.862 (1998)