1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750366
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
榊 守 釧路工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (50196060)
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Keywords | 真空アーク放電 / 酸化チタン薄膜 / アークプラズマ / チタンイオン源 / カソードスポット |
Research Abstract |
本研究は、真空アーク放電プラズマを用いて、低温基板上に結晶構造を制御して酸化チタン薄膜を生成することをめざしている。これまでの真空アークプラズマを用いた窒化チタン薄膜の生成メカニズムの研究を通して得られているアーク放電プラズマの知見に基づいて、酸化チタン薄膜を低温基板上に生成し、その結晶構造の制御方法を確立することを目的としている。なお、本研究の期間は2年間であり、次年度までに、プラズマパラメータと膜の結晶性との関連性を検討する予定である。 本年度は、窒化チタン生成用の現有アーク放電プラズマ成膜装置を酸化チタン薄膜生成に対応するように、以下の事項を実施した。1)現有実験装置に用いていたガス導入系は窒素ガス用であるために、新規に酸素ガス導入系を追加した。2)今までの実験に用いてきたチタン陰極は直径70mm、厚さ50mmに切削加工した大型のものであるが、市販の円形チタンターゲット(直径20mm、厚さ5mm)を再加工せずに、陰極材料として用いるために、新規にNW100真空用フランジ内に収まる小型チタン陰極部を設計・製作し、現有真空チャンバー装置へのセッティングを行なった。なお、この陰極周囲に水冷小型陽極を配置し、陰極と陽極とを同一フランジに配置したシンプルな構造とした。3)200℃以下の低温が得られるように水冷基板を設計・製作した。4)新規設計の陰極と酸素導入系とを用い、真空リ-クテストおよび放電実験を行なった。その結果、真空リ-クは見られず、放電電流50A以下で安定な放電特性を確認した。
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