1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750367
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
若松 孝 茨城工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助手 (80220838)
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Keywords | 表面電磁波 / 干渉 / 表面プラズモン / エバネッセント波 / 金属プローブ |
Research Abstract |
本年度は、金属界面に沿って伝搬する電磁波モードである表面プラズモン(SP)の干渉性を調べる目的から、実験装置の設計・製作および製作装置の性能試験を行った。実験装置は、SP励起光の導入のための光学系、試料部、蛍光検出プローブ・駆動部、蛍光検出部の4つの系から構成されている。 まず、それらの設計を行い、装置全体を作製した。SPのエバネッセント電場を検出するための金属プローブの位置制御は、本装置の性能を決定する上で重要であり、特に注意を払い設計製作した。具体的には、圧電素子のピエゾアクチュエーターにより、ナノメートルオーダーで金属プローブの位置を制御した。また当初、SP励起には、金属薄膜上に脂肪酸LB膜を微細加工した有機回折格子により行う予定であったが、SP励起用に十分な微細加工が装置の都合からできず、SP励起にはATRプリズム・カップラー法を用いて行うことに変更した。この方法はSP励起法として原理的には同じであり、当研究の遂行上何ら支障はないものと考えられる。SP電場の検出には、金属プローブ先端に付着させた蛍光性の色素分子からの蛍光測定によって行う。このために、明るい分光器と光電子増倍菅を用い、光子数計測法により金属プローブからの微弱な光を十分感度良く測定できることがわかった。基礎実験により作製した装置は、SPの干渉性に関する様々な実験を行うのに十分な性能を有していることがわかった。 今後、定量的な基礎実験を行い、SPの干渉性を調べて行く計画である。
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