1997 Fiscal Year Annual Research Report
原子層オーダーの界面急峻性を持ったシリコン/ゲルマニウムヘテロ構造の新しい形成法
Project/Area Number |
09750379
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅原 聡 東京工業大学, 工学部, 助手 (40282842)
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Keywords | 原子層エピタキシ- / シリコン / 超格子 / シリコン / ゲルマニウムヘテロエピタキシ- / ゲルマニウムの表面偏析 |
Research Abstract |
本研究はSiとGeの原子層超格子を,原子スケールで膜厚制御の可能な原子層エピタキシ-(ALE)を応用して実現することを目的としている.本年度はSi/Ge原子層超格子の作製を目指し,ALEを用いた新しいSiのGe表面ヘテロ成長法を提案し研究を行った.本法を用いれば,Ge表面へのSiのヘテロ成長で問題となっていてたGeの表面偏析を抑止することができ,原子層スケールで組成の入れ替わる急峻なSi/Geヘテロ構造が形成できる. 以下に本法の概略を示す.(1)Ge表面へSiH_4を350℃程度で照射し解離吸着させる.この温度ではGe表面からの水素の熱脱離は容易だがSi上の水素は熱脱離できない.したがって,SiH_4の解離吸着によって生じたSiHは自己制限的に単分子層を形成する.(2)この表面に比較的に高い圧力でSiH_4Cl_2を照射しながら基板温度を550℃程度まで昇温する.最表面を被覆する水素の熱脱離によって形成された吸着サイトには反応前駆体の解離吸着によってSiClが吸着する.したがって,表面水素の熱脱離とともにこの温度でも安定なSiClの単分子層が自己制限的に形成される.本法を用いれば,Ge表面2原子層のSiが成長する間,成長表面は常に水素または塩素で被覆されるため,Geの表面偏析は抑止され,急峻なSi/Geヘテロ界面が形成できると予想される.以上のSiのヘテロ成長を実際に行い,Ge表面にSiが自己制限的に1原子層づつ2原子層まで成長できることを光電子分光法を用いた実験から実証した.また,脱出深さの極めて短い低エネルギーのオージェ電子を深さ方向分析に応用して,Si/Geヘテロ界面を上記の方法で形成しておけば原子層スケールで組成の入れ替わる急峻なSi/Geヘテロ構造が形成できることを明らかにした.
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[Publications] Eiji Hasunuma: "Gas-phase-reaction-controlled atomic-lyer-epitaxyof Silicon" J. Vac. Sci. Technol. A16 (2)(採録決定済). (1998)
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[Publications] Keiji Ikeda: "Formation of an Atomically Abrupt Si/Ge Hetero-Interface" Jpn. J. Appl. Phys.(採録決定済). (1998)
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[Publications] Satoshi Sugahara: "Hydrogen-Induceed Abstrcction Mechanism of Sarface Methd Groups in Atomic-Layer-Epitaxy" Appl. Surf. Sci. (採録決定済). (1998)