1997 Fiscal Year Annual Research Report
2光子吸収記録媒体を用いた超高密度・書換可能3次元多層記録光メモリシステムの開発
Project/Area Number |
09750383
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 拓男 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40283733)
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Keywords | 2光子吸収 / 3次元 / 光メモリ / 共焦点顕微鏡 / 半導体レーザー |
Research Abstract |
3次元光メモリの基本システムとして,データを3次元的に多層に記録し再生できるピックアップ光学系の試作を行った.特に本研究では,光学系の小型化,単純化を図るため,光源に半導体レーザーを用い,さらにこの半導体レーザーのみで光メモリメディアからの再生信号を検出できるようにすることで,光検出器が不要なシステムを試作した.試作したシステムでは,波長659nmのダブルヘテロ構造の半導体レーザーを光源に用い,これを開口数0.65の対物レンズで光メモリ媒体内部に集光した.光メモリ内部には,媒体の屈折率変化としてビット情報が記録されているため,ビットのあるなしに応じて,反射光強度が変化する.光メモリ媒体で反射された光は,再度対物レンズで集光され,半導体レーザーに戻ってくる.半導体レーザーは,定電流駆動されているが,この半導体レーザーに外部から光が帰還されると,その光強度に応じてp-n接合間の電圧が変化する.従って本システムでは,半導体レーザーのp-n接合間の電圧を測定することにより,光ディスクからの反射光強度の変化つまり記録されている情報を検出することが可能となる.さらに半導体レーザーの光出射口は,3μm×0.2μmと小さいため,これはピンホールの役目を果たす.つまり半導体レーザーは点検出器と等価であり,従って試作したシステムは,反射型の共焦点顕微鏡と同じ結像特性を持ち,光軸方向にも分解能を持つ.つまりこれは,試作したシステムが多層記録されたデータ層を各々独立に分離して検出・再生可能な事を意味し,実験においても光軸方向に約4μmの分解能を実現できた.
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