1997 Fiscal Year Annual Research Report
周波数の有効利用を目的とした衛星通信用デバイスの開発
Project/Area Number |
09750390
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Technology |
Principal Investigator |
柴崎 年彦 東京都立工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (70235571)
|
Keywords | マイクロ波受動回路 / 誘導性絞り / カットオフフィルタ / FDTD法 / 階段接続 |
Research Abstract |
本研究では、衛星通信における隣接干渉間の低減要求を満足する導波管フィルタ(特にカットオフフィルタ)を設計することを目的としている。特に、遮断導波管による規則的な共振によって生じる帯域通過内のリップル成分の抑圧を、従来のテ-パ接続ではなく、階段接続の整合で実現する方法を検討した。平成9年度は、リップル成分を抑圧する際の階段 接続の数値シュミレーションを以下の手順で行った。 (1).遮断導波管の幅と長さをパラメータにした伝送特性の数値計算 遮断導波管の幅と長さをパラメータとし、透過減衰量の立ち上がり特性と共振によって生じる帯域通過内のリップル成分の大きさを求めた。計算は、以前に求めた留数計算法を応用した誘導性絞りの精密解により算出し、通過域でリップがゼロになる点が絞りの管内波長の(2n+1)/4で現れ、リップの最大点がゼロ点の約1/2周期であるころが分かった。これにより、リップ留の最大点の現れる所にゼロ点がくるように2段目以降のステップを設けるように構成すれば、調整のできることが確認された。 (2).階段接続の数値シュミレーション 設計では、抑圧が必要なリップルの数だけ段階を設け、規格導波管と遮断導波管とを階段 接続したモデルで、数値シュミレーションを行う必要がある。そこで、近年盛んに研究されているFDTD法(有限差分時間領域法)を適用することとした。手始めとして、ステップを設ける前の誘導性絞りを解析するプログラムを作成し、数値計算を行った。結果を(1)の精密解の結果と比較したところ、ほぼ妥当な結果が得られ、設計の準備が整った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 木下照弘,柴崎年彦: "周期構造をした平行平板導波路のFDTD解析" 電子情報通信学会エレクトロニクスソサエティ大会講演論文集. 1. C-1-22 (1997)
-
[Publications] 松田勲,柴崎年彦,山本隆: "導波管内の電界分布を視覚的に捉える測定" 第58回応用物理学会学術講演会講演予稿集. NO.1. 3a-ZN-2 (1997)
-
[Publications] 柴崎年彦,木下照弘: "マイクロ波によって導体表面上に誘起される電流分布の測定" 電磁界理論研究会資料. EMT-97-38 (1997)
-
[Publications] 木下照弘,柴崎年彦: "導体円板上の微少磁流源からの放射界" 電磁界理論研究会資料. EMT-97-39 (1997)
-
[Publications] 柴崎年彦,松田勲,山本隆,木下照弘: "方形導波管内電界分布の視覚化測定" 東京都立工業高等専門学校研究報告. 33. 57-59 (1998)
-
[Publications] 藤井信王監修,柴崎他: "ハンドブック電子(韓国翻訳版)" 図書出版 技多利, (1997)