1998 Fiscal Year Annual Research Report
多重波伝搬環境における素波の到来方向と遅延時間の高分解能計測
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09750400
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 潤一 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (90222083)
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Keywords | 移動通信 / 電波伝搬 / 時空間チャネルモデル / 超分解能法 / ESPRIT法 / チャネルサウンダ |
Research Abstract |
本年度は,新たな計測装置である超分解能時空間チャネルサウンダの作成に取り組んだ.ネットワークアナライザにおける参照信号部分を原子発振器による絶対同期で置き換え,受信機と送信機の間の参照信号の受け渡しを省く構造を採り入れた.キャリア周波数としては,次々世代のマイクロ波移動通信システムを踏まえ,また免許の取りやすい5.8GHz帯を採用した.遅延時間測定にはマルチキャリア信号を用いて,周波数操引と同じ効果を期待する.従来の相関型チャネルサウンダでは疑似雑音系列を用いているが,マルチキャリア信号を用いることで平坦な周波数特性が期待できる.到来方向測定には2次元アレーアンテナを採用する.この場合,各素子間の位相差がもっとも重要な情報となるので,アンテナ素子のスイッチによる切替え等は採用せず,各素子からの信号を中間周波段に変換した後に,並列サンプリングを行うこととした.このようにして取得された周波数および空間に対する3次元データを,本研究で新たに提案した3次元ユニタリESPRIT法を用いて処理することにより,3次元パラメタの同時推定が初めて可能となった.残念ながら,本報告書までにはサウンダの試作は終了していないが,受信部・送信部とも高周波およびベースバンドのフィルタを除き,ほぼ完成している.また,2次元アレーアンテナが理想的に動作するための較正法を新たに提案し,現在,ネットワークアナライザを用いたサウンディング実験でその有効性の確認を進めているところである.
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Research Products
(11 results)
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[Publications] K.Sakaguchi: "On Measuring the Delay Profile and the Direction of Arrival by Using Super Resolu-tion Algorithm" IEEE Vehicular Technology Conference. 154-158 (1998)
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[Publications] J.Takada: "ASuperresolution Spatio-Temporal Channel Sounder for Future Microwave Mobile Communication System Development." IEEE Asia-Pacific Conference on Circuits and Systems. 101-104 (1998)
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[Publications] 阪口 啓: "偏波平均化ESPRIT法を用いた多重波伝搬環境における遅延特性測定法" 1998年電子情報通信学会総合大会. B-1-15. (1998)
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[Publications] 岡田貴宏: "ESPRIT法を用いた遅延プロファイル実測結果とレイトレースシミュレーションとの比較検討" 1998年電子情報通信学会総合大会. B-1-16. (1998)
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[Publications] 阪口 啓: "3-D Unitary ESPRIT法を用いた多重波パラメタの測定法" 電子情報通信学会技術研究報告. AP98-35. (1998)
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[Publications] 関根勇樹: "マイクロセルにおける時空間チャネルモデルの作成" 1998年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-1-24. (1998)
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[Publications] 阪口 啓: "高分解能時空間チャネルサウンディング" 1998年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-1-42. (1998)
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[Publications] 鄭 重植: "アレイ信号処理における最適推定基準に基づいたパラメタ同時推定法" 1999年電子情報通信学会総合大会. B-1-62. (1999)
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[Publications] 阪口 啓: "超分解能法における最適スムージング前処理に関する一検討" 1999年電子情報通信学会総合大会. B-1-66. (1999)
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[Publications] 須山 聡: "時空間チャネルサウンダ用2次元アレーアンテナにおける相互結合の補償法" 1999年電子情報通信学会総合大会. B-1-70. (1999)
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[Publications] 阪口 啓: "屋外マイクロセル環境における到来方向・遅延時間同時推定実験およびその検証" 1999年電子情報通信学会総合大会. B-1-72. (1999)