1997 Fiscal Year Annual Research Report
符号分割多元接続方式における準同期拡散符号による周波数利用効率の改善に関する研究
Project/Area Number |
09750409
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山里 敬也 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20252265)
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Keywords | 符号分割多元接続 / 準同期CDMA方式 / 準同期拡散符号系列群 / セルラ-環境 / 周波数非選択性フェージング / アクセス制御 |
Research Abstract |
本研究では,符号分割多元接続(DCMA)方式の周波数利用効率の改善のために準同期CDMA方式を取り上げ,準同期拡散符号系列群(QS-sequnces)の検討及び,実際に移動体(セルラ-)環境に用いる場合に必要となるセル外干渉制御についての検討を行い,次のような結果が得られた. ・直交Gold系列を基に同期アクセス範囲外であっても相互相関値が理想的に0となる新たなQS-sequncesであるQS(OG-r)を提案した.提案系列は従来の非同期拡散符号から生成されたQS-sequncesよりも優れた相互相関特性を有し,準同期CDMA方式にふさわしい拡散符号系列であることが分かった. ・ピコセル,マイクロセルのような比較的近距離であるセルラ-環境下(周波数非選択性フェージング環境)における準同期CDMAパケット通信方式のスループット特性を提案系列及び従来系列について計算機シミュレーションで求め,比較を行った.提案系列は同期アクセスずれの大きさにかかわらず従来系列よりも優れた特性を示し,白色ガウス雑音チャネルの場合に比べ優位性は顕著に現れることが分かった. ・CDMAバケットセルラ-環境においてセル外干渉電力を一定に保つパケットアクセス制御手法である,PTC-RCSを提案した.PTC-RCSは,無制御下で通信を行うことができないような場合においても,他セルからの干渉量を抑えるので,ある度のユーザを確保することができることが分かった. 以上の研究成果は国内の学会に公表した.これらは独創的な研究として高い評価を受けている.また,今後国内外の学会,論文において公表する予定である.
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