1997 Fiscal Year Annual Research Report
光ホモダイン及び光子計数受信機を利用した量子最適受信機の実現に関する研究
Project/Area Number |
09750410
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
臼田 毅 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80273308)
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Keywords | 量子通信 / 量子情報理論 / 量子最適受信機 / 光ホモダイン受信機 / 光子計数受信機 / 相互情報量 / 群共変的信号 |
Research Abstract |
本年度に行った研究業績を要約すると次のようになる. 1.相互情報量を最大にする量子最適受信機の特性分析:相互情報量を最大にする量子最適受信機は,物理的対応の明確でない決定作用素のレベルでも具体的に明らかにされていなかった.その明快な形式を明らかにするため,群共変的信号のもつユニークな特性に着目し,以下のように研究を行った. (1)具体的信号が群共変性をもつための必要十分条件を明らかにし,様々な量子符号語の集合など,多くの例があることを明らかにした. (2)Daviesの定理を根拠として,群共変的信号の相互情報量の最大値を数値解析によって求め,条件により相互情報量最大の量子最適受信機が誤り率最小の量子最適受信機と一致することを推論した. 2.光ホモダイン受信機入力信号の量子雑音分布の数値特性解析:量子最適受信機を構成するための光受信機として光ホモダイン受信機を利用する場合について,その入力信号の必要十分条件を満たす信号の特性解析を行った.2元信号の直交位相振幅分布を,ガウス混合型,Sin関数混合型について計算した. 3.光子計数受信機入力信号の量子雑音分布の数値特性解析:量子最適受信機を構成するための光受信機として光子計数受信機を利用する場合について,その入力信号の必要十分条件を満たす信号の特性解析を行った.2元信号の光子数分布を,ポアソン混合型について計算したが,非直交の信号でもユニタリ変換によって大きなしきい値で判定可能となりうることが明らかになった.今後,ユニタリ変換の構成法を検討する必要がある.
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Research Products
(1 results)