1997 Fiscal Year Annual Research Report
符号の構造的性質を利用したブロック符号の誤り確率評価法
Project/Area Number |
09750418
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高田 豊雄 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (50216652)
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Keywords | ブロック符号 / 誤り確率 / 最犬復号法 / 和集合上界 / 符号の構造的性質 / シミュレーション |
Research Abstract |
従来,ブロック符号を加法的白色ガウス雑音通信路で用い,各種最適/準最適復号法を用いた場合の誤り確率の評価法としては,(1)計算機シミュレーションによる方法,(2)符号の重み分布等から解析的な近似値を得る方法(和集合上界等)の二通りが考えられてきた.しかし,符号長が100を越えるような符号に対して,(1)の方法で誤り確率の統計的に信頼できる近似値を得ることは,誤り確率が1に近い所でのみ可能か,あるいはパラメータによっては元より実質的に困難である.(2)の方法では信号雑音比の小さな所ではよい近似を与えない. そこで本研究では,従来の和集合上界およびその改良上界がなせ精密な上界値を与えないかという問題を考察した上で,低重み部分トレリスのような符号の構造的性質と極座標和集合上界の考え方を組み合わせた新しい誤り確率評価法を導出し,計算合理性と近似精度の両面から評価を行った. その結果,一例として,従来,計算機シミュレーションが困難であった符号長128の4次のリ-ドマラ-符号について最尤復号をおこなった時の誤り確率について,一情報ビット当たりの信号雑音比が3.5dBの所で,通常の和集合上界が1.1×10^<-1>であるのに対して,ここでの評価法では2.3×10^<-2>という値を得た.信号雑音比が大きくなるにつれて通常の和集合上界による値と,ここでの評価法の差は少なくなっていくが,和集合上界の値が10^<-4>となる付近でも,約10%程度改善されている.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Tomita, T.Takata 他: "An Evaluation Method of the Block Error Probability by Using a Low-Weight Sub-Trellis Diagram" IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics,Comm.and Computer Sciences. E80A・11. 2104-2110 (1997)