1997 Fiscal Year Annual Research Report
任意形状マイクロストリップアンテナのキャビティモデルによる解析
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09750429
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤本 孝文 長崎大学, 工学部, 助手 (40264204)
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Keywords | マイクロストリップアンテナ / キャビティモデル / 最小自乗法 / 表面アドミタンス / スペクトル領域 / 表面波 |
Research Abstract |
キャビティモデルによる任意形状マイクロストリップアンテナ(MSA)の解析法として (1) アンテナ開口でのインビーダンス境界条件に最小自乗法を適用 (2) アンテナ開口の表面アドミタンスをアンテナ開口部の等価磁流とそれによって生じる磁界で定義し、更に、数値計算解の精度を上げるため表面アドミタンスをスペクトル領域でのグリーン関数を用いて導出 する手法を提案した。本年度の研究では、任意形状MSAの解析例として、現在円偏波用アレイアンテナの基本素子として使用されている、縮退分離素子を付けた距形MSAおよび縮退分離素子を付けた円形MSAについて解析を行った。特に表面アドミタンスについて評価を行った。 縮退分離素子を付けた距形MSAでは、表面アドミタンスの実数部、虚数部ともに開口部の磁流分布に依存しており、特に実数部では、誘電体基板中を流れる表面波の影響を含むことを数値計算により明らかにした。このアンテナはパッチの形状が変数分離可能な座標系からずれているため、アンテナ開口部のインピーダンス境界条件に最小自乗法を適用する必要がある。今後の課題として、境界条件に最小自乗法を適用し、アンテナ内部の電磁界を明らかにし、入力インピーダンス、共振周波数、軸比特性について数値計算を行う予定である。 縮退分離素子を付けた円形MSAでは、表面アドミタンスの実数部は開口部で一定であり、また表面波の影響を含むことを数値計算により明らかにした。また虚数部は縮退分離素子を付けた切込み部で特異性を持つことを明らかにした。更にこのアンテナでは、得られた表面アドミタンスを用い、キャビティモデルにより入力インピーダンス、共振周波数、軸比特性について数値計算を行った。現在、これらの特性について、試作アンテナの実験値との比較検討を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤本孝文: "円偏波用矩形マイクロストリップアンテナの表面アドミタンス" 1997年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集1. 110 (1997)
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[Publications] 藤本孝文: "縮退分離素子を付けた円形マイクロストリップアンテナの表面アドミタンス" 平成9年度電気関係学会九州支部連合大会論文集. 341 (1997)
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[Publications] 藤本孝文: "縮退分離素子を付けた円形マイクロストリップアンテナの表面アドミタンス" 1998年電子情報通信学会総合大会通信講演論文集1. (1998)