1997 Fiscal Year Annual Research Report
誤り訂正符号を用いたランダムアクセスCDMA通信方式の特性改善に関する研究
Project/Area Number |
09750431
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
榊原 勝己 岡山県立大学, 情報工学部, 助教授 (10235137)
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Keywords | ランダムアクセス方式 / CDMA / 再送制御 / 誤り訂正符号 / スループット / 周波数ホッピング |
Research Abstract |
一定数のユーザーが周波数ホッピングCDMA通信方式により、固定長のパケットを送信する通信システムにおいて、誤り訂正符号、特にリ-ド・ソロモン符号がシステム・スループットに与える効果を理論に解析した。ホッピングに利用可能な周波数スロット数を固定した場合、パケットを送信するユーザー数を制御しない方式では、ユーザー数が増加するとスループットも増加するが、極大値を通過した後、スループットは急峻減少してしまう。これは、ユーザー数の増加によるパケット誤りがリ-ド・ソロモン符号の誤り訂正能力を超えてしまうためである。そこで、パケット送信を行うユーザー数を徐々に減少させる方式を提案し、そのスループットを解析・比較した。その結果、ユーザー数を制御しない方式が最大スループットを与えるユーザー数の近傍では、制御しない方式が若干高いスループットを呈するが、非制御方式のスループットが急峻に減少する領域では、ユーザー数を減少させる方式は依然高いスループットを維持することが可能であり、有効であることが明らかとなった。さらに、各ユーザーが98%の確率でパケットの伝送に成功するために必要なパケット送信回数を解析した結果、ユーザー数とは無関係にユーザー数を減少させる提案方式が優れていることを示した。以上より、提案方式はスループットでは若干劣る領域が存在するものの、全般的に有効な方式であることが明らかとなった。 次年度では、(1)スループットを最大にするという意味において最適なリ-ド・ソロモン符号の符号化率に関する検討、(2)ユーザーからの送信パケット数が、ある種の確率分布に従うような場合に対する拡張等を検討する必要がある。
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