1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒステリシス素子を含む大規模非線形回路網のダイナミクス解析と画像処理への応用
Project/Area Number |
09750434
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
神野 健哉 上智大学, 理工学部, 助手 (50286762)
|
Keywords | ヒステリシス / ニューラルネットワーク / 微分方程式 / 平衡点 / 量子化器 / 画像処理 / 面積階調法 / 時定数 |
Research Abstract |
画素の最小単位が2値出力のみ取り扱うことが可能なプリンタ等の出力装置で多階調を表現する方法として面積階調法と呼ばれる手法がある。本研究では面積階調法に基づいた画像処理をヒステリシス素子を含む人工ニューラルネットを用いて行なうことを目的としている。人工ニューラルネットではデジタル計算機のプログラムに相当するものが各ニューロンの結合係数であり、結合係数がその処理能力に非常に重要な役割を果たす。 本年度は結合係数と安定平衡点との関係に注目し、その関係に関して研究を行なった。面積階調法では入力1画素を複数の画素要素により表現する。各画素要素は2値のみしか表現できないことから、これは与えられた入力に対して適切な量子化を実行することに相当する。そこで任意に与えられた入力に対して最も適切な量子化出力が必ず出力できる、人工ニューラルネットを基にした量子化器を開発、提案した。この成果は論文にまとめ、1998年度内に電子情報通信学会より公表予定である。 このシステムは非対称結合行列を有した相互結合型人工ニューラルネットワークに構成されている。このような非対称結合を有したネットワークでは周期解と安定平衡点とが共存している場合があり、このような場合、所望の安定平衡点に収束させることが問題となる。本研究では時定数を制御することにより安定平衡点への収束領域を制御できることを明らかにした。これらの結果は1997年12月にHawaiiで開催された1997International Symposium on Nonlinear Theory and its Applicationsで公表、及び1998年5月にMontrayで開催される1997IEEE International Symposium on Circuits and Systemsで公表予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 神野健哉, 田中衛: "ヒステリシス量子化器" 電子情報通信学会論文誌. J81-A. (採録決定)
-
[Publications] K.Jin'no & M.Tanaka: "Spatiotemporal Pettern from a Simple Hysteresis Network" 1998 IEEE International Symposium on Circuits and Systems. (採録決定)
-
[Publications] T.Nakaguchi, K.Jin'no & M.Tanaka: "Synchronization Phenomena from a Simple Hysteresis Network with Different Time Constants" 1998 IEEE International Symposium on Circuits and Systems. (採録決定)
-
[Publications] K.Jin'no & M.Tanaka: "Hysteresis Quantizer" 1997 IEEE International Symposium on Circuits and Systems. 661-664 (1997)
-
[Publications] T.Nakaguchi, K.Jin'no & M.Tanaka: "Synchronization Phenomena from a Simple Hysteresis Neural Network" 1997 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 569-572 (1997)
-
[Publications] N.Ito, F.Kawaguchi, J.Miyata, K.Jin'no & M.Tanaka: "Hierarchy Continuous-Time Cellular Neural Networks" 1997 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 909-912 (1997)