1997 Fiscal Year Annual Research Report
音声における感情情報の記述・分類と感情音声認識・合成
Project/Area Number |
09750435
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
森島 繁生 成蹊大学, 工学部, 助教授 (10200411)
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Keywords | 感性情報処理 / 感情音声 / 声質変換 / 韻律変換 / SP法 / 感情カテゴリー / ブラウザ上での主観評価 |
Research Abstract |
平成9年度の研究実績を以下にまとめる。 1)基本感情分類のための主観評価実験 音楽やバックグラウンドノイズを含まない音声サンプルをドラマ等から多数収集し、聴取実験を実施し、このSD法による分析によって基本感情の因子空間上での相対的な配置が明らかとなった。この実験環境はブラウザ上に実現しており、インターネットを経由して多くのアンケートを収集できるように配慮した。総計13種類の感情分類が可能となった。 2)感情の特徴表現 実際に数名の被験者に分類された基本感情を含むセンテンスの発声を行ってもらい、実験に用いる音声サンプルを収集した。これに基づいて感情パラメータ抽出を実施した。感情音声を相互に比較した結果、ピッチ、パワー、継続長、アクセント位置に特徴が表れることがわかった。 3)声質変換システムの構築 韻律パラメータを音声信号から自動的に計算・抽出し、また韻律パラメータを変換して音声信号を生成するシステムの開発を行った。分析レベルでは、ケプストラム法によるピッチ抽出や音声区間の検出を行うが、LPCベースの声質変換は音質劣化が激しいので、原波形レベルで、ピッチ変換、パワー変換、継続長変換を実現するアルゴリズムを新たに開発した。 4)感情特徴パラメータの定量化 感情カテゴリ毎に平静音声からの韻律パラメータの変換ルールを抽出した。基本的には、最もパワーの大きくなるアクセント位置に着目して、その前後での韻律パラメータの変換を行って、発声するセンテンスに依存しないルール化を目指した。この評価は今後の課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤順, 森島繁生: "音声に込められた感情の意味次元に関する検討" 電子情報通信学会 技術報告. HCS97. 21-28 (1997)
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[Publications] 佐藤順, 森島繁生: "音声に含まれる感情の主観評価実験と感情音声の合成" 第3回知能情報メディアシンポジウム論文集. 1-8 (1997)
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[Publications] Shigeo Morishima: "Virtnal Face-to-Face Communication Driven by Voice Through Network" Proceeding of Workshopon Perceptnal User Interfaces. 85-86 (1997)
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[Publications] Shigeo Morishima: "Expression Recognition and Synthesis for Face-to Face Communication" Advances in Human Factors/Ergonomics,21B. 415-418 (1997)
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[Publications] 長谷川修, 森島繁生: "「顔」の情報処理" 電子情報通信学会論文誌A. J80,8. (1997)
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[Publications] 金子正秀, 森島繁生: "顔画像によるアドバンスト エージェント" 映像情報メディア学会誌. 51,8. 1169-1174 (1997)