1997 Fiscal Year Annual Research Report
Large deviation を用いた情報通信システムの性能評価に関する研究
Project/Area Number |
09750448
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧本 直樹 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (90242263)
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Keywords | 情報通信ネットワーク / 性能評価 / セル損失率 / マルコフ入力過程 / 出力過程 / 待ち行列モデル |
Research Abstract |
本研究では,高速情報通信ネットワークの性能評価の一環として,待ち行列ネットワークにおける微小セル損失率を高速かつ高精度で評価する方法を構築することを最終目標としている.初年度の今年は,待ち行列ネットワーク内の1つのノードに着目し,そのノードへのセルの入力がノードでの処理によってどのような出力に変換されるかをまず調べ,次にその結果をネットワークモデルの解析に必要な形へと拡張した.得られた主な結果は以下の通りである. 1.バースト性を持つ入力のモデル化として用いられるマルコフ入力過程(MAP)に従って到着するセルが,複数のサーバでランダムな時間だけ処理されるモデルを考え,その退去過程の漸近的な挙動とMAPおよび処理時間分布の関係を明らかにした. 2.1の拡張として,入力が重畳されたモデルおよび出力が分岐されるモデルを考え,1の結果を一般化した. 3.1,2の結果を利用して,2段の複合直列型モデルにおけるセル損失率を評価する方法を提案した. 解析は構造的でマルコフ連鎖の声質と大偏差理論を組み合わせたもので,既存の手法に比べてモデル化の柔軟性の点で優れていると考えられる.今年度は2段のネットワークまでの解析であったが,この手法を再帰的に利用することで,より一般的なネットワークモデルに対応できると考えており,この一般化とシミュレーションによる実験・検証を次年度に行う予定である.
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