1997 Fiscal Year Annual Research Report
高度アメニティライフにおける磁性体の快適性計測装置への新しい応用に関する研究
Project/Area Number |
09750468
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
長田 洋 岩手大学, 工学部, 助手 (10261463)
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Keywords | 磁性体 / 磁性半導体 / センサ / 温度 / 湿度 / 快適性 / 味 / 匂い |
Research Abstract |
本年度は主に快適性計測装置に用いるセンサの作製技術の改良を行った。本装置は磁性体(複合フェライト)をベースとしたセンサを用い、その表面へのイオンや分子の物理吸着による電気的特性の変化から温度や湿度、味、匂い等を計測、識別するものである。 現在、磁性体粉末を用いた電気泳動法による厚膜型センサ、およびバルク磁性体をターゲットとしたスパッタリングによる薄膜型センサを試作している。前者の作製法は、電極上に磁性体粉末のグリーンフィルムを形成し焼成するものであるが、磁性体粉末の違いにより異なる特性のセンサが作製できる。味や匂い等の情報量の多いものを識別するには特性の異なる複数のセンサによるパターンニングを行うことが適切である。本研究では共沈法を用いて様々な磁性体粉末を作製し、交付された「磁性体素子の電気的特性評価装置」等を用いてインピーダンス特性を測定したところ、Mn-Zn、Ni-Zn、Cu-ZnおよびMg-Mn複合フェライト粉末が本センサの材料として適当であることが分かった。また、母胎となる電極材料の種類及び焼成条件によって界面結合強度が大きく異なるが、本センサにはインコネル電極が適当であることと、各磁性体粉末毎の最適焼成温度(1000〜1100℃)を求めた。一方、後者の作製法で作製した薄膜型センサは、アニーリング条件の最適化によりターゲットの磁気特性を非常によく再現するものが得られたが、インピーダンスが高いため本装置には不十分な特性となっており更なる検討が必要である。 これまでの研究で、快適性計測装置用センサである厚膜型センサの作製方法はおおむね確立されたと考えられる。今後は作製したセンサを用いて様々な測定対象物を計測する。また、味や匂いなどの識別はセンサの洗浄等が再現性向上の鍵となっているため、それらを含めた自動計測装置の作製も行っていく予定である。
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