1997 Fiscal Year Annual Research Report
ディスクリプタ形式に基づく定数スケールドH_∞制御による磁気軸受けのロバスト制御
Project/Area Number |
09750475
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平田 光男 千葉大学, 工学部, 助手 (50282447)
|
Keywords | 磁気軸受 / 定数スケールドH_∞制御 / ロバスト制御 / ディスクリプタ形式 |
Research Abstract |
本研究テーマにおいて平成9年度では以下の研究を遂行した。 1.5軸制御型磁気軸受の設計モデルの作成。 2.ディスクリプタ形式を用いた構造的変動の抽出。 3.ディスクリプタ形式に基づく定数スケールドH_∞制御法の開発と磁気軸受け系への適用。 4.シミュレーションによる従来法(μ設計法)との性能比較。 これにより以下に示す知見を得ることができた。 1.ディスクリプタ形式を用いたことによりパラメータ変動をタイトに表現することができたため過剰なロバスト安定性を確保する必要がなくなった。これにより制御性能を向上させることが可能となった。 2.定数スケールドH_∞制御の解法には,線形行列不等式に基づく双対対反復法を採用した。本手法は,必ずしも大域的な最小値は理論的に保障されていないが,磁気軸受系の設計では実用的な計算速度で良質な準最適解が得られることが確認された。 3.定数スケールドH_∞制御では,μ設計法に比べ,最適化パラメータの数が少ないため,設計にかかる時間を短縮できることが確認された。また,同時に設計者の負担を減らすことができた。 4.磁気軸受において磁気回路の持つ非線形性や入力の飽和特性,演算時間遅れなどを考慮したシミュレーションモデルを構築し,初期浮上応答,定常外乱応答,インパルス外乱応答での検討を行った。結果として,本手法はμ設計法とほぼ同様の制御性能により低次の補償器で達成できることを確認することができた。 以上より,平成9年度の研究計画を予定通り進めることができた。平成10年度は,研究計画通り,得られた成果を実機に応用し,実験レベルで検証する予定である。
|