1997 Fiscal Year Annual Research Report
表現型可塑性を有する個体発生過程に基づくロボットの神経回路・形態の創発的形成
Project/Area Number |
09750487
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 章夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90232280)
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Keywords | ニューラルネットワーク / ニューロモジュレータ / 動的再構成 / 創発的進化 / 学習 / 行動選択 / 個体発生 / ロボットの形態 |
Research Abstract |
近年,ロボットの制御器あるいは形態をも進化的手法により,ボトムアップ的に構築することを目指す進化ロボティクスと呼ばれる分野が注目を集めている.特に制御器をニューラルネットワークで表現し,その構築ならびにシナプス荷重を進化的に獲得する研究例が数多く報告されている.しかしながらこれらの研究の大部分は,学習と進化過程が乖離しており,環境の変動に対する脆弱性,新規能力の獲得時における既存の能力の破壊の問題点が指摘されている. 一方,近年の神経生理学の研究により,シナプス可塑性はNMDA受容体に化学物質が結合することにより行われていること,また互いに非干渉の関係にあった神経回路が,入力に応じて再構成されることも明らかになった.これらの興味深い現象は,neuromodulator(以下,NMと略す)と呼ばれる化学物質の働きによるものと考えられている. そこで申請者は,このNMの動きを工学的に模擬することにより,神経回路の学習ならびに構造を感覚入力(環境)に応じて動的に行う(動的再構成(dynamic rearrangement)と呼ぶ)手法の構築を目指した.本手法の特徴は,進化の対象を『ある状況下での適切なニューロン間の相関(学習)の取り方』としたことである.具体的には,どのニューロンから荷重あるいは結合の変化を司るNMを拡散し,どのシナプスにNMのレセプタを用意するかの決定を進化の対象とした.シミュレーションの結果,シナプス荷重を進化の対象とする従来のアプローチに比べて,より柔軟な能力を有しているとの感触を得た.しかしながら,用いるべきNMの種類の決定が困難であった. そこで,次年度では発生過程を用いて上記の問題点の解決策を図る.また発現する知能は,脳神経系の構築だけでなく,認知主体の身体の構造にも左右される.そこで,身体の構造も併せて決定する手法の構築も併せ行う.
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[Publications] 石黒章夫 他: "個体発生過程を用いたニューラルコントローラの進化的生成" 第36回計測自動制御学会学術講演介予稿集. 709-710 (1997)
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[Publications] 近藤敏之 他: "自律移動ロボットの形態形成と制御器の共進化的獲得" 平成9年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 363-363 (1997)
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[Publications] 近藤敏之 他: "表現型可塑性を有するニューラルコントローラの進化的構築" 第15回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 1. 167-168 (1997)
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[Publications] A.Ishiguro et al.: "Evolutionary Construction of a Neural Network Based on the Ontogenetic Process with Phenotypic Plasticity" Proc.of International Symposiumon System Life. 139-144 (1997)