1997 Fiscal Year Annual Research Report
テーブル駆動系の非線形摩擦モデリングと適応オブザ-バによる摩擦補償に関する研究
Project/Area Number |
09750488
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩崎 誠 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10232662)
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Keywords | テーブル駆動 / 非線形摩擦 / 摩擦モデリング / 適応オブザ-バ / 高精度位置決め制御 / モーションコントロール |
Research Abstract |
テーブル駆動装置の滑り摺動面に発生する非線形摩擦は,起動時のジャーキングモーションや軌跡制御時のトラッキングエラー等の原因となり,テーブル最終位置決め精度の低下を招く。本研究では,各種の非線形摩擦の中でも,運転状況に依存してなめらかな運動方向逆転や微小送り動作時に速度・位置制御特性に影響を与える,Stribeck効果を有する非線形摩擦の補償に焦点を絞り,摩擦外乱に対してロバストなモーションコントローラを構築することを研究目的とする。平成9年度では,精密摩擦モデルの導出と適応オブザ-バの構築及びその基礎的実験検証を行った。その研究実績は以下の通りである。 1.テーブル駆動システムに発生する非線形摩擦に対して,ブラシによるたわみを有する摺動面モデルを導入し,摩擦摺動面の相対変位と摩擦力に関する微分方程式を導出した。その係数を実験的に同定することによって摩擦精密モデルを明かにした。 2.上記摩擦モデルによれば,高速トルク応答を伴う始動・逆転時には,摩擦は良く知られたクーロン摩擦モデルと同等な特性を示すことが結論付けられる。その結果,速度符号関数を含めた適応外乱オブザ-バによって,本非線形摩擦をリアルタイム推定・補償可能であることを理論的に示した。 3.本提案手法の有効性は,CNC旋盤に用いられているテーブル駆動システムによる実験と特性解析によって検証され,微小正弦波位置指令に対して,誤差2μm以下の軌跡制御精度による滑らかな速度方向反転が達成できた。
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