1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750495
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜多 一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20195241)
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Keywords | 環境変動への適応 / 遺伝子アルゴリズム / 多様性維持 / エントロピー / メモリベースドアプローチ |
Research Abstract |
本研究では動的に変動する環境に進化的手法を用いて適応するアルゴリズムの開発を行っている.環境変動への適応は知的なシステムの構成を目指す上で重要なテーマである.本研究では静的な最適化問題に高い有効性を示している遺伝アルゴリズムが固体群の多様性を維持しながら探索を進めることに注目し,同アルゴリズムによる環境変動への適応を検討している. 遺伝アルゴリズムの環境変動への適応問題への応用を考える場合,変動した環境に適合した解を探索,発見するためには個体群の多様性を恒常的に維持するけことが必要である.本研究では多様性の維持に優れた遺伝アルゴリズムの構成法として代表者らが開発を進めてきた熱力学的遺伝アルゴリズム(Thermodynamical Genetic Algorithms,TDGA)の適用を検討した.TDGAでは個体群の多様性をエントロピーとして明示的に評価し,個体群を自由エネルギーが最小となるように選択する.したがって,自由エネルギーにおけるエントロピーの重要度を調整するパラメータである温度を正に保つことにより個体群の多様性を恒常的に維持することができる. 本年度はこのような手法において温度を調整する方策について検討した.個体群の多様性はTDGAではエントロピーとして評価され,その大きさは目的関数(エネルギー関数)値との兼ね合いで温度をパラメータとして調整される.しかしながら温度を一定とする方策では目的関数値が急激に変化する場合には十分な適応性能が得られない.そこで一定の探索能力を保証するため,エントロピーを一定とする方策を検討し,これを温度のフィードバック制御により実現する方法で実装した.簡単な数値実験の結果,本研究で提案した手法が良好に動作することが確認できた.
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[Publications] 森直樹 ほか: "熱力学的遺伝アルゴリズムを用いた動的環境下での最適化計算-II" :計測自動制御学会弟10回自律分散システムシンポジウム資料. 109-114 (1998)
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[Publications] Naoki Mori et al.: "On Genetic and Memory-based Approaches to Adaptation to Changing Environments" Roceedings of Intornational Sympoium on System Life. 77-86 (1997)
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[Publications] Naoki Mori et al.: "Adaptation to Changing Environments by Means of the Memory Based Thermodynamical Genetic Algorithms" Proceedings of 7th International Conference on Genetic Algorithms. 299-306 (1997)