1997 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル画像を用いた触覚センサによる布の質感認識
Project/Area Number |
09750498
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
眞鍋 佳嗣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50273610)
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Keywords | 質感 / スペクトル画像 / 主成分分析 / 布 / カラー画像処理 |
Research Abstract |
現在,我々の周りにはさまざまな種類の布が存在するが,一口に布の種類と言っても,素材,色,織り方などで質感も大きく変化する.このように多種多様に存在する布の質感の認識を試みるのが本研究の目的である. 一般に,画像処理には濃淡画像およびRGBカラー画像が主に用いられている.しかし,実際の光学現象はスペクトル分布を持ち,濃淡画像やRGBカラー画像ではその細かな変化を捉えることはできない.例えば,物体の色,光源などの条件によって本来違う色の物体でも同じ色に見えることがある.このような現象を条件等色というが,このようなシーンに対しては濃淡画像,カラー画像では物体の違いを識別することができない. そこで我々は画像ごとにスペクトル分布を持つスペクトル画像を提案し,これまでの画像では認識することができなかった微妙な差異を基に,物体認識,質感認識への応用などを行った.本研究ではさらに質感認識の手法をもとに,布の質感の認識を試みる.まず,得られた布のスペクトル画像に主成分分析を行い,主成分分析によって得られた物体色をもとに,それぞれの物体の持つ微妙なスペクトル分布の差から,同じ質感の物体でも同じ材質のものかどうかの判別を行った.実験には,赤色の綿の布とフェルトを用いて,物体色のわずかな違いから判別ができることが分かった. 現在のところ,スペクトル分布による色の相違をもとに布の質感判別を試みているが,布の質感には光沢や艶などが大きく影響しており,これらの特徴をいかに抽出するかが今後の課題である.
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