1997 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックな視覚システムのための補償眼球運動に関する研究
Project/Area Number |
09750506
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
丸 典明 和歌山大学, システム工学部, 講師 (60239150)
|
Keywords | 補償眼球運動 / 前庭動眼反射 / ヘッドアイシステム / ステレオ視 / ダイナミクス / キネマティクス / アクティブビジョン / ヒューマノイドロボット |
Research Abstract |
人間の頭の中には,頭部の回転角速度や加速度を検出する器官があり,頭部の運動を補償するように眼球を運動させるさまざまな反射運動があることが知られている.人間は,これらの反射運動により眼から得られる映像を安定化し,激しい運動中でも周囲の世界の状況と自分の運動を正しく認識したり,周囲の世界に対して正確に自分の体の運動を制御することができていると考えられる.我々は人間のようなダイナミックな視覚システムを構築するためには眼の反射運動が重要であると考え,本研究では特に頭部の回転運動を補償する前庭動眼反射(Vestibulo Ocular Reflex:VOR)に着目した.これまでの研究は,頭部が純粋に回転運動のみを行う場合を想定してきたが,任意の運動に対するVORを実現するためには,頭部の並列移動量を検出し,補償しなければならない.本研究では,加速センサを用いて頭部の並列移動量を検出し,任意の運動に対するVORを実現する手法を明らかにすることを目的とした. 本年度は,任意の運動に対するVORを実現する一つの前の段階として,任意の回転運動に対するVORを実現するために,現有するヘッドアイ装置を3軸の回転運動が制御できるように改造した.現有するヘッドアイ装置は,単眼あたり2個づつのDCサーボモータを用いて,パンとチルトが制御できるようになっている.これにさらにカメラ軸上に1個のサーボモータを取り付けることにより,カメラのト-ジョンも制御できるようにした.また,現有のヘッドアイ装置は,1個のDCサーボモータを用いて両眼の載ったプレートの首関節のパンが制御可能になっているが,これに2個のサーボモータを用いることにより3自由度の首関節の制御が可能なように改造した.また,現在はジャイロセンサーは首関節の上部2個設置しているが,ジャイロセンサーを1個追加して,3軸の回転角速度を検出することができるようにした.
|