1997 Fiscal Year Annual Research Report
人間の上肢インピーダンス特性の解析と人間-ロボット協調系への応用
Project/Area Number |
09750507
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
辻 敏夫 広島大学, 工学部, 助教授 (90179995)
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Keywords | 運動制御 / インピーダンス / ロボット / 人間 / 動特性 / 生体工学 |
Research Abstract |
本研究では、人間のインピーダンス特性を腕の力学特性によるインピーダンスと上位中枢の制御特性を含めたトータルなインピーダンス特性とに分けて解析した.主要な結果は以下の通りである. 1.腕の力学特性に起因する手先インピーダンスの推定 1軸インピーダンス推定装置(開発済み)を用いて作業中の被験者の手先インピーダンスを推定し,腕の力学特性に起因するインピーダンス特性を解析した.そして従来から解析されていた右手の肩,肘関節による平面運動だけでなく,肩,肘,手首関節による3次元上肢姿勢時のインピーダンス特性,および左手,両手作業時のインピーダンス特性をはじめて明らかにした.その結果,冗長自由度を利用して腕の姿勢を変化させることにより手先インピーダンスをある程度調節できること,右手と左手の手先インピーダンスがほぼ対称性を示すこと,両手を用いることによりインピーダンス特性が大きく変化することなどを明らかにした. 2.上位中枢の制御特性を含めたトータルなインピーダンス特性の解析 まずダイレクトドライブ型リニアモータを用いて,人間-ロボット協調作業系を構成した.そして人間を制御者とする補償型マン-ロボット制御系を模擬し,人間のインピーダンス特性を推定した.その結果,制御者のインピーダンス特性がロボットのインピーダンスパラメータに応じて適応的に変化すること,制御者は系全体の開ループ特性をほぼ一定に保つよう自らの特性を適応的に変化させていること,ロボットが不安定な特性を有する場合でも制御者が系全体をある程度安定化できること,制御者が筋収縮レベルを調節することにより腕のインピーダンスを積極的に変えながら作業を行っていることなどを明らかにした. 今後は,本研究で明らかにした人間のインピーダンス特性を人間-ロボット系で積極的に利用する方法を開発できればと考えている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 辻 敏夫: "マニピュレータの非接触型インピーダンス制御" 日本ロボット学会誌. 15・4. 616-623 (1997)
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[Publications] 福田 修: "ニューラルネットによる時系列脳波パターンの識別" 電子情報通信学会論文誌. J80-DII・7. 1896-1903 (1997)
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[Publications] 福田 修: "ニューラルネットによる連続動作EMGパターンの識別" 電子学会論文誌. 117・C・10. 1490-1497 (1997)
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[Publications] Toshio TSUJI: "A Log-Linearized Gaussian Mixture Network and Its Application to EEG Pattern Chassification" IEEE Transactionsons on Systems,Man,and Cybernetics-Part C Cybernetics. 28・4. (1998)