1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750525
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 英史 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40221840)
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Keywords | 光CT / 生体計測 / 光応用計測 / 散乱 / 近赤外分光法 |
Research Abstract |
生体組織を透過した近赤外光の強度変化から吸収情報を求め,組織内の酸素代謝分布を測定する光CTの試みがなされている.しかし,X線などとは異なり,光は生体組織の強い散乱特性の影響を受けて伝播することから,光CTを実現するためには生体組織内における近赤外光の伝播特性を把握する必要がある.本研究は、生体組織の非均質性が頭部における光伝播に与える影響を理論と実験から解析して,光CTへ応用することを目的としている. 初年度の研究としては,脳周囲に存在する透明な脳脊髄液が脳内の光伝播に与える影響に関する理論解析結果を検証するため,頭皮,頭蓋骨,脳脊髄液の部分をエポキシ樹脂,脳の部分をイントラリピッド懸濁液で構成した非均質頭部モデルを作成し,イントラリピッド懸濁液(脳)中に吸収体を入れて局所的に吸収変化を起こさせたときの検出光強度変化を測定した.脳表面に相当する部位で吸収変化が起きた場合,透明層(脳脊髄液)が存在するモデルの方が,透明層がないモデルよりも検出光強度の変化が大きくなった.また,脳深部における吸収変化に対する検出光強度の変化は,透明層を有するモデルの方が小さくなった.これらは,透明層がないモデルにおいては,光源と検出器の距離が離れるにしたがって,光が深い部位を伝播するようになるのに対して,透明層を有するモデルでは光は主として透明層近傍の浅い部位を伝播するという理論解析の結果を裏付けるものである.さらに,脳脊髄液に隣接する頭蓋骨の光学特性が脳内の光伝播に与える影響について理論解析を進めた.頭蓋骨中に存在する血液髄を含む板間層が脳内を伝播する光に与える影響をモンテカルロシミュレーションによって解析したところ,板間層の吸収が大きくなると脳内の吸収変化に対する検出光の強度変化が小さくなることがわかった.
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[Publications] E.Okada, M.Saito, M.Firbank and D.T.Delpy: "Monte Carlo Investigation of the Effect of Skull Optical Properties on Optical Pathlength in the Brain" SPIE,Progress in Biomedical Optics. 3194. 28-33 (1997)
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[Publications] K.Matsushita, S.Homma and E.Okada: "Influence of Adipose Tissue on Muscle Oxygenation Measurement with NIRS Instrument" SPIE,Progress in Biomedical Optics. 3194. 159-165 (1997)