鋼コンクリートサンドイッチ構造部材におけるシアコネクタの変形性状に関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09750533
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 古内 仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60165462)
• Keywords: 鋼コンクリートサンドイッチ構造 / 形鋼シアコネクタ / 変形性状 / 伝達せん断力

Research Abstract

鋼コンクリートサンドイッチ構造部材における形鋼シアコネクタの変形性状について、実験によって調査を行った。実験供試体は、はり部材の引張鋼板および圧縮鋼板に適当な間隔でシアコネクタを配置し、シアコネクタの軸方向の変形と伝達せん断力を測定した。はりは単純支持され、支間中央において二点対称載荷を行っている。したがって、はりのせん断スパンには曲げモーメントとせん断力が同時に作用し、配置されたシアコネクタにはせん断力と拘束圧縮力が作用する。各シアコネクタに作用する伝達せん断力はフランジの引張力分布から算出し、拘束圧縮力は同位置に配置されたタイプレートに作用する力を測定して求めた。なお、本年度の実験では、主にコンクリートの圧縮強度とシアコネクタの剛性(厚さ)を変数とした。本研究においては、シアコネクタの変形に対する力学モデルの構築を進めている。そのモデルの概略は以下のとおりである。シアコネクタの剛性は、それ自身の剛性と背後にあるコンクリートの剛性の和として表すこととした。シアコネクタは、引張鋼板側を固定端、その反対側は回転を拘束し変位を自由としたカンチレバ-と仮定した。また、実験結果よりシアコネクタの変形は、最初は線形の関係にあるが、伝達せん断力が増加するにつれて非線形な性状を示すことが実験から明らかとなった。このような性状をモデル上では、前述の剛性を減少(コンクリートの部分が徐々に減少)することとした。本年度は、現状の実験結果から、モデルにおける初期剛性、弾性限界および剛性低下の方法に対して、コンクリート強度、シアコネクタの形状およびサイズ(厚さおよび高さ)等の影響について検討を行った。なお、来年度は不足している実験変数について調査し、定量的モデルの構築およびシアコネクタのせん断耐力式を提案する予定である。

Research Products

• [Publications] 伊藤常正: "鋼コンクリートサンドイッチはりのせん断耐荷機構に対する一考察" 土木学会北海道支部論文報告集. 53(A). 564-567 (1997)
• [Publications] Taufiq Ssidi: "EXPERIMENTAL STUDY ON MECHANICAL BEHAVIOR OF SHEAR CONNECTOR FOR STEEL-CONCRETE SANDWICH BEAM" 土木学会北海道支部論文報告集. 53(A). 568-573 (1997)
• [Publications] 伊藤常正: "鋼コンクリートサンドイッチ棒部材のせん断耐力に関する解析的検討" 土木学会北海道支部論文報告集. 54(A). 680-685 (1998)
• [Publications] Taufiq Saidi: "EFFECT OF THE CONCRETE COMPRESSIVE STRENGTH ON THE SHEAR CONNECTOR BEHAVIOR FOR STEEL-CONCRETE SANDWICH BEAM" 土木学会北海道支部論文報告集. 54(A). 686-691 (1998)
• [Publications] Taufiq Saidi: "TRANSFERRED SHEAR FORCE-RELATIVE DISPLACEMENT RELATIONSHIP OF SHEAR CONNECTOR IN STEEL-CONCRETE SANDWICH BEAM" 土木学会構造工学論文集. 44(A)印刷中. (1998)