1997 Fiscal Year Annual Research Report
ひび割れを有する鉄筋コンクリート部材の機能回復に関する実験的研究
Project/Area Number |
09750537
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久田 真 東京工業大学, 工学部, 助手 (80238295)
|
Keywords | 電着 / ひび割れ / 電流密度 / 通電期間 / 酸化物 / 水酸化物 |
Research Abstract |
平成9年度において実施した検討の概略、ならびに、それぞれの各検討によって明らかとなった事項は、概ね以下の通りである。 (1)ひび割れを有する鉄筋コンクリート部材を準備し、これを各種の電解質水溶液に浸漬して、通電を施し、コンクリート表面ならびに、ひび割れ部分における、化学物質の析出状況を把握した。この結果、ひび割れ部ならびに、コンクリート表面部分での化学物質の析出状況は、通電時の電流密度、通電期間、電解質水溶液の種類等によって異なり、ひび割れ部分においては、内部から析出する場合と、表面部を覆うように析出する場合があることがわかった。 (2)用いた電解質水溶液と、析出物質との関係についての検討を行った。その結果、Mg^<2+>,Zn^<2+>,Ca^<2+>などの陽イオンを有する電解質の場合には、電着に伴い酸化物あるいは水酸化物が析出するが、Ag^+などの金属の析出は、認められなかった。また、今後は、通電時の溶液のpHをモニタリングする必要があることが判明した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 大即 信明: "鉄筋コンクリート円柱モデル供試体による脱塩工法に関する実験的検討" コンクリート工学論文集. 8・1. 63-73 (1997)
-
[Publications] 大即 信明: "電気化学的手法によるコンクリート構造物のリハビリテーション<前編 原理と効果>" セメント・コンクリート. 601. 24-30 (1997)
-
[Publications] 大即 信明: "電気化学的手法によるコンクリート構造物のリハビリテーション<後編 実施例と今後の課題>" セメント・コンクリート. 602. 20-27 (1997)
-
[Publications] 大即 信明: "鉄筋コンクリートからの塩分除去によるリハビリテーション" 材料と環境. 205. 117-118 (1997)